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溝鼠
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どぶねずみ
ふりがな文庫
“
溝鼠
(
どぶねずみ
)” の例文
瓦斯中毒のために、この家の主人鶴彌と一匹の
溝鼠
(
どぶねずみ
)
とが同時に心臓麻痺で死んだとする。そういうことは如何なる状況の下に於て在り得べきことか。
地獄の使者
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この眼力に間違いなくば、
彼奴
(
きゃつ
)
はただの鼠じゃねえ。巻物をくわえてドロドロとすっぽんからせり上がる
溝鼠
(
どぶねずみ
)
だ
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
だけど
所詮
(
しょせん
)
はどこへ行っても淋しい一人身なり。小屋が閉まると、私は又
溝鼠
(
どぶねずみ
)
のように部屋へ帰って来る。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
菓子をこしらえながら、指の間に残ってる
捏粉
(
ねりこ
)
を包丁で取ってる母親——前日河に泳いでるところを見かけた
溝鼠
(
どぶねずみ
)
——柳の枝でこしらえたいと思っていた
鞭
(
むち
)
……。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と
溝鼠
(
どぶねずみ
)
のやうな
身体
(
からだ
)
をして、両手を拡げて相手に抱きつかうとした。ビスマルクは慌てて逃げ出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
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その反対の、
山裾
(
やますそ
)
の
窪
(
くぼ
)
に当る、石段の左の端に、べたりと
附着
(
くッつ
)
いて、
溝鼠
(
どぶねずみ
)
が
這上
(
はいあが
)
ったように、ぼろを
膚
(
はだ
)
に、笠も
被
(
かぶ
)
らず、
一本杖
(
いっぽんづえ
)
の細いのに、しがみつくように
縋
(
すが
)
った。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「へエ、この通り嚴重な締りで、
溝鼠
(
どぶねずみ
)
のもぐる穴もありません。今朝なども、店も切戸も裏口も、皆んな締つて居りました。私があけたんですから、間違ひはありません」
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
同時に耳の穴に突刺さるような超ソプラノが、一斉に「キャーッ」と
湧起
(
わきおこ
)
ったと思うと、若い女の白い肉体が四ツ五ツ、揚板をメクられた
溝鼠
(
どぶねずみ
)
みたいに、奥の方へ逃込んで行った。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
掘りっぱなしの
溝
(
どぶ
)
の中を泳いで、
溝鼠
(
どぶねずみ
)
のように向うへ
這
(
は
)
い上ったら痛快だろう、と思っただけで、往来止めの制札の横の方に置き捨てられた大きな切石の一端に、腰を卸してしまう。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
翌朝
(
あくるあさ
)
幸ひ早起きの若い
溝鼠
(
どぶねずみ
)
が通りましたので、魚はこのことを頼んで見ました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「シッ! 畜生!
溝鼠
(
どぶねずみ
)
!」
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
……で
悚気
(
ぞっ
)
としたが、
熟
(
じっ
)
と
視
(
み
)
ると、鼠か、
溝鼠
(
どぶねずみ
)
か、降る雨に、あくどく濡れて
這
(
は
)
っている。……時も時だし、や、小さな狢が天井へ、とうっかり
饒舌
(
しゃべ
)
って、きれいな鳥を蓮池へ飛ばしたのであった。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“溝鼠(ドブネズミ)”の解説
ドブネズミ(溝鼠)は、 ネズミ目(齧歯類) ネズミ科 クマネズミ属 に属する大型のネズミ類の1種。学名 Rattus norvegicus。シチロウネズミ(七郎鼠)、ミゾネズミ(溝鼠)、ハトバネズミ(波止場鼠)、チャイロネズミ(茶色鼠)、ダイコクネズミの別称がある。家畜化されたものは近年ペットとしても人気が広まりつつある。
(出典:Wikipedia)
溝
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
鼠
漢検準1級
部首:⿏
13画
“溝”で始まる語句
溝
溝板
溝渠
溝川
溝泥
溝口
溝端
溝際
溝壑
溝店