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湯灌
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ゆかん
ふりがな文庫
“
湯灌
(
ゆかん
)” の例文
使わせて
経帷子
(
きょうかたびら
)
に着換えさせて……
湯灌
(
ゆかん
)
ということを、するだろう? その湯灌には、どういう人が立会ったのか、それを聞いてるんだ
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
蝋燭を灯して
湯灌
(
ゆかん
)
し
経帷子
(
きょうかたびら
)
をきせると死んだ子の様にはなく、またしてもこの小さい魂の飛び去った遺骸を悼たんだのであった。
梟啼く
(新字新仮名)
/
杉田久女
(著)
それを獄吏のことばで、
湯灌
(
ゆかん
)
をするというらしい。——ところが、東儀与力の耳には、近づくに従って、象のような
鼾
(
いびき
)
が聞えた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
死んだきょうだいの四人は、差配の家で
湯灌
(
ゆかん
)
をし、みんなで死装束をしてやってから、卯兵衛の隣りにある
空店
(
あきだな
)
に移した。
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
湯灌
(
ゆかん
)
をしてやるために、着物を解いてやると、身体からは、胸がムカーッとする臭気がきた。そして無気味な真白い、平べったい
虱
(
しらみ
)
が
周章
(
あわ
)
ててゾロゾロと走り出した。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
「赤さんは大きな男のお
児
(
こ
)
ですよ。」と、産婆は死児をそっと次の
室
(
ま
)
へ持ち出した。そこには母親が、畳の上に
桐油
(
とうゆ
)
を敷き詰めて、
盥
(
たらい
)
に
初湯
(
うぶゆ
)
か
湯灌
(
ゆかん
)
かの加減を見ていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と
慄
(
ふる
)
えながら新吉は伯父と同道で七軒町へ帰りまして、
是
(
こ
)
れから
先
(
ま
)
ず早桶を
誂
(
あつら
)
え
湯灌
(
ゆかん
)
をする事になって、蒲団を上げ様とすると、蒲団の間に
揷
(
はさ
)
んであったのは豊志賀の
書置
(
かきおき
)
で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
道行触
(
みちゆきぶり
)
のおじさんが、「いや、これは御趣向」と云うと、傍にいた若い男が「
湯灌
(
ゆかん
)
の盥と云う心持ですね」と注釈を加えた。すぐに跡から小形の
手桶
(
ておけ
)
に
柄杓
(
ひしゃく
)
を投げ入れたのを持って出た。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
死んだら
湯灌
(
ゆかん
)
は酒でしてくれ
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
と着た浴衣は
経帷子
(
きょうかたびら
)
、使った行水は
湯灌
(
ゆかん
)
となる事とは、神ならぬ身の萩原新三郎は、誠に心持よく表を閉めさせ、
宵
(
よい
)
の内から
蚊帳
(
かや
)
を吊り、其の中で
雨宝陀羅尼経
(
うほうだらにきょう
)
を
頻
(
しき
)
りに読んで居ります。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これや、一筋縄で恐れいる
曲者
(
しろもの
)
じゃない。お奉行、あれに口を
開
(
あ
)
かせるには、だいぶ
時刻
(
とき
)
がかかります。てまえに、お任せ下さいましょうか。……では
其奴
(
そいつ
)
を、ひとまず、
湯灌
(
ゆかん
)
させておきますが」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山「
湯灌
(
ゆかん
)
は誰がするのか知らねえが、お
前
(
めえ
)
の働きで仏の顔を見られようか」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
湯灌
(
ゆかん
)
は新吉一人に申し付ける、
外
(
ほか
)
の者は親類でも手を付ける事は相成らぬ。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“湯灌”の解説
湯灌(ゆかん)とは、葬儀に際し遺体を入浴させ、洗浄すること。簡易には遺体を清拭(せいしき)することで済ませる場合もある。故人が男性の場合はその際に髭を剃られ、女性の場合は死に化粧が施される。地域差があり、一般的ではない地域もあるとされる。病院で死亡した場合には「エンゼルケア」などと称し、看護師による簡易な清拭が行われる。
(出典:Wikipedia)
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
灌
漢検準1級
部首:⽔
20画
“湯灌”で始まる語句
湯灌場
湯灌場買
湯灌盥