トップ
>
清廉
>
せいれん
ふりがな文庫
“
清廉
(
せいれん
)” の例文
清廉
(
せいれん
)
、誘惑をしりぞけ圧迫を物ともせず、ギャング
掃蕩
(
そうとう
)
のためには身命さえも賭そうという、次期州知事の候補者の一人だ。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
だが、おひとよしの町人は——日本橋区は金で動かないからという策略があたって、握飯をもって、草鞋で歩くとは、
清廉
(
せいれん
)
な人だと当選させた。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
清廉
(
せいれん
)
をもって鳴る平淡路守とは、言葉のいき掛りで正面衝突をしそうだし……いや、どうも、山城守、
下
(
くだ
)
らないことを言い出して散々になりそうだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼は、お通に対して、
清廉
(
せいれん
)
なる恋を抱いていた。特に、清廉なる——と自覚しているのは、お通が、誰を愛しているか、お通の胸をよく知っているからである。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
清廉
(
せいれん
)
さの故に、何時まで經つてもこの貧乏から拔け切れないのが、平次信仰で一パイになつて居るガラツ八には、不思議で腹立たしくてたまらなかつたのです。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
案じゐるよし
確
(
たしか
)
に知たる忠相ぬし
獨
(
ひと
)
りつく/″\思ふ樣お光は
奇才
(
きさい
)
容貌
(
ようばう
)
とも人に
勝
(
すぐ
)
れし
耳
(
のみ
)
ならず武士の
眞意
(
しんい
)
を能く
辨
(
わきま
)
へ
白刄
(
しらは
)
を
揮
(
ふる
)
つて仇を
斃
(
たふ
)
すに其父もまた
清廉
(
せいれん
)
にて是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蕪村
(
ぶそん
)
とか
崋山
(
かざん
)
とかいうような
清廉
(
せいれん
)
な画家になるだろうと思ったら大ちがいでした。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さうした実業家の家庭に、武士の血をひく官吏の環境にかなり厳しく育て上げられ、しかも
清廉
(
せいれん
)
な地方官の妻であつた母が、あべこべにリベラリズムの空気を注入しなければならなかつた。
母たち
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
けれども青砥は、決して
卑
(
いや
)
しい
守銭奴
(
しゅせんど
)
ではない。質素倹約、
清廉
(
せいれん
)
潔白の官吏である。
一汁
(
いちじゅう
)
一菜
(
いっさい
)
、しかも、日に三度などは食べない。一日に一度たべるだけである。それでもからだは丈夫である。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
のち
郡奉行
(
こおりぶぎょう
)
となり、昔橘
良基
(
よしもと
)
が五国守となりし時、その処身の秘訣を述べて「百術は一清に
如
(
し
)
かず」といえるをとりて、職に
在
(
あ
)
る間「不如一清」の四字を刻したる印を用い、
清廉
(
せいれん
)
を以て自からも期し
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
卑怯
(
ひきょう
)
にも
陋劣
(
ろうれつ
)
にも、金の力であの
清廉
(
せいれん
)
な父を苦しめようとするのかしら。そう思うと、瑠璃子は、女ながらにその小さい胸に、相手の卑怯を
憤
(
いきどお
)
る熱い血が、沸々と声を立てゝ、煮え立つように思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
クルトは、
清廉
(
せいれん
)
頑検事のロングウェル氏に話したのみと言うが、そのロングウェル氏はルチアノ一派の対敵——その辺の消息が、皆目分っていない。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その
清廉
(
せいれん
)
さの故に、いつまで経ってもこの貧乏から抜け切れないのが、平次信仰で一パイになっているガラッ八には、不思議で腹立たしくてたまらなかったのです。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
曹操も、その
清廉
(
せいれん
)
を信じて、彼の憂いをなぐさめ顔にいった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世の中に、一流新聞の記者ほど役得のないものはなく、名のある新聞の記者ほど
清廉
(
せいれん
)
なものはない。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は
清廉
(
せいれん
)
であるとともに、正直である。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中には驚くべき
清廉
(
せいれん
)
な君子人も少なくはなかったが、それは物心ついてから、私が掘り出したことで、その例を
以
(
もっ
)
て侍階級の一般を律するわけに行かず、私の少年の頃の憎悪は
銭形平次打明け話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“清廉”の意味
《名詞》
清廉(せいれん)
心が清く私欲が無いこと。
(出典:Wiktionary)
清
常用漢字
小4
部首:⽔
11画
廉
常用漢字
中学
部首:⼴
13画
“清廉”で始まる語句
清廉潔白
清廉剛直
清廉温厚
清廉潔癖