海坊主うみばうず)” の例文
どれ、これをづるに、ねずみをゑさに、きつね、たぬき、おほきくいへば、千倉ちくらおき海坊主うみばうず幽靈船いうれいぶねでもつりださう。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
南無三寶なむさんばうした。ぶく/\のし/\と海坊主うみばうず。が——あゝ、これ元來ぐわんらい懸念けねんした。みちしようにあたつたり。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞個ほんとだよ、あられだつて、半分はんぶんは、海坊主うみばうず蹴上けあげてる、なみしぶきまじつてるんだとさ。」
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さあ……これからうみれるぞ、と前觸まへぶれに、ひさしよりかたかい、おほき海坊主うみばうずが、うみからて、まちなか歩行あるいててね……ひとのぞくと、へびのやうにこしげて、まどから睨返にらみかへして
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)