-
トップ
>
-
氣性
>
-
きしやう
わたしはまだ
今までに、あの
位氣性の
烈しい
女は、
一人も
見た
事がありません。もしその
時でも
油斷してゐたらば、
一突きに
脾腹を
突かれたでせう。
ば
偸み出したる五十兩
宅へ行れて
彼是と其の事
露顯に及びなば第一養父は
豫ての
氣性如何成
騷ぎに成やら知れずと思へば是も我が身の
難儀と
屹度思案を
愛ちやんは、
夫人が
斯かる
快活な
氣性になつたのを
見て
甚だ
喜び、あの
厨房で
出逢つた
時に、
夫人が
彼麽に
野蠻めいた
事をしたのは、
全く
胡椒の
所爲であつたのだと
思ひました。
須田町の七右衞門は聞及び
例の
侠氣なれば
早速三右衞門の
方へ來りて
何くれと
見繼深切に
世話をなしけるゆゑ三右衞門は
甚だ七右衞門の
氣性を
感じ
喜びける