氣性きしやう)” の例文
新字:気性
わたしはまだいままでに、あのくらゐ氣性きしやうはげしいをんなは、一人ひとりことがありません。もしそのときでも油斷ゆだんしてゐたらば、一突ひとつきに脾腹ひばらかれたでせう。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ぬすみ出したる五十兩たくへ行れて彼是かれこれと其の事露顯ろけんに及びなば第一養父はかねての氣性きしやう如何成さわぎに成やら知れずと思へば是も我が身の難儀なんぎ屹度きつと思案を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あいちやんは、夫人ふじんかる快活くわいくわつ氣性きしやうになつたのをはなはよろこび、あの厨房だいどころ出逢であつたときに、夫人ふじん彼麽あんな野蠻やばんめいたことをしたのは、まつた胡椒こせう所爲せゐであつたのだとおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
須田町の七右衞門は聞及びれい侠氣をとこぎなれば早速さつそく三右衞門のかたへ來りてなにくれと見繼みつぎ深切しんせつ世話せわをなしけるゆゑ三右衞門ははなはだ七右衞門の氣性きしやうかんよろこびける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)