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氣位
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きぐらい
仁和賀の
金棒に
親父の
代理をつとめしより
氣位ゑらく
成りて、
帶は
腰の
先に、
返事は
鼻の
先にていふ
物と
定め、にくらしき
風俗、あれが
頭の
子でなくばと
鳶人足が
女房の
蔭口に
聞えぬ
私の
父といふは三つの
歳に
椽から
落て
片足あやしき
風になりたれば
人中に
立まじるも
嫌やとて
居職に
飾の
金物をこしらへましたれど、
氣位たかくて
人愛のなければ
贔負にしてくれる
人もなく