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桜草
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さくらそう
ふりがな文庫
“
桜草
(
さくらそう
)” の例文
旧字:
櫻草
雪割草
(
ゆきわりそう
)
は、だれかと
思
(
おも
)
って、その
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
ると、しゅろ
竹
(
ちく
)
の
蔭
(
かげ
)
から、うす
紅
(
あか
)
いほおをして、
桜草
(
さくらそう
)
が
笑
(
わら
)
いながらいっているのでありました。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
現に今日も、この
卓子
(
テエブル
)
の上には、
籐
(
とう
)
の籠へ入れた
桜草
(
さくらそう
)
の鉢が、何本も細い茎を
抽
(
ぬ
)
いた先へ、
簇々
(
ぞくぞく
)
とうす赤い花を
攅
(
あつ
)
めている。……
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
崖の根を固めている一帯の
竹藪
(
たけやぶ
)
の
蔭
(
かげ
)
から、じめじめした
草叢
(
くさむら
)
があって、
晩咲
(
おそざ
)
きの
桜草
(
さくらそう
)
や、早咲きの
金蓮花
(
きんれんか
)
が、小さい流れの岸まで、まだらに咲き続いている。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
わたくしが小学生のころには草花といえばまず
桜草
(
さくらそう
)
くらいに
止
(
とどま
)
って、殆どその他のものを知らなかった。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼は一握の
桜草
(
さくらそう
)
を引きむしって
頬
(
ほお
)
の涙を拭きとった。海は月出の前で秘めやかに白んでいた。
夜鴉
(
よがらす
)
が奇怪なカーブを描きながら、花壇の上を鋭い影のように飛び去った。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
桜草
(
さくらそう
)
のように
綺麗
(
きれい
)
なので、私は胸がどきどきして、とても歩きにくかった、というような事を書いたのでしたが、何だか、あまり子供っぽく、甘えすぎていますから、私は、いま考えると
千代女
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「うん、そいつはね、おれの所にね、
桜草
(
さくらそう
)
があるよ、それをお前にやろう。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
色
(
いろ
)
蒼
(
あを
)
ざめし
桜草
(
さくらそう
)
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
桜草
(
さくらそう
)
の
姿
(
すがた
)
を
目
(
め
)
に
思
(
おも
)
い
浮
(
う
)
かべては、
涙
(
なみだ
)
ぐんでいたのでしたが、
明日
(
あした
)
は、ふたたびいっしょになれると
聞
(
き
)
いて、うれしくてなりませんでした。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
野村は近眼鏡の下からしばらくレダを仰いでいた後で、今度はその眼を
桜草
(
さくらそう
)
の鉢へやると、腹の底から大きな息をついて
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
私
(
わたし
)
は、
昨日
(
きのう
)
から、あなたを
待
(
ま
)
っていました。」と、
雪割草
(
ゆきわりそう
)
は、
桜草
(
さくらそう
)
をながめました。そして、
昨日
(
きのう
)
は、かわいらしいみつばちのきたことを
話
(
はな
)
しました。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“桜草(サクラソウ)”の解説
サクラソウ(桜草、学名:Primula sieboldii)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草。日本のサクラソウ類の代表で、日本では北海道南部、本州、九州の高原や原野に分布し、朝鮮半島から中国東北部へかけても分布するが、野生の群落をみることはまれになっている。また埼玉県と大阪府の県(府)花に指定されている。
(出典:Wikipedia)
桜
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
“桜草”で始まる語句
桜草属