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枝振
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えだぶり
ふりがな文庫
“
枝振
(
えだぶり
)” の例文
九里は又マロニエの幹を長い
棒麺麭
(
ぼうパン
)
、梢の
枝振
(
えだぶり
)
を箒、白樺を「砂糖漬の木」などと言つた。
而
(
さう
)
して三人が歩き
乍
(
なが
)
ら
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と言つて、障子を引明けると、庭にある
好
(
い
)
い
枝振
(
えだぶり
)
の松がうまく立花のなかに取入れられたさうだ。流石に池坊式でこれには
拵
(
こしら
)
へ
事
(
ごと
)
の
態
(
わざ
)
とらしさがある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
自分から云はせると、校長と謂ひ此男と謂ひ、營養不足で天然に立枯になつた
朴
(
ほう
)
の木の樣なもので、松なら枯れても
枝振
(
えだぶり
)
といふ事もあるが、何の風情もない。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
慣々
(
なれなれ
)
しく私の
傍
(
そば
)
へ来て、鍋の
浸
(
つ
)
けてある
水中
(
みずのなか
)
を覗いて見たり、土塀から垂下っていた柿の
枝振
(
えだぶり
)
を眺めたり、その葉裏から秋の光を見上げたりして、何でもない
主家
(
うち
)
の
周囲
(
まわり
)
を
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
湯島から三里も来たころ、
枝振
(
えだぶり
)
よき栂の枯木を見つけて写生する。すぐ近くの笹の中では、藪鶯が一羽二羽、ここに絵筆走らす旅人ありとも知らで、ささ
啼
(
な
)
きの声が
忙
(
せわ
)
しない。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
▼ もっと見る
譬
(
たと
)
えば遠方の山に桜が一本美しく咲いていても美の光りは
観
(
み
)
る者の眼に映ずる。同じ場所に同じ大きさの松があって
枝振
(
えだぶり
)
が
如何
(
いか
)
に面白くとも数歩の近くへ寄らなければその奇を賞する事が出来ない。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
小供のうち花の咲いた、葉のついた
木瓜
(
ぼけ
)
を切って、面白く
枝振
(
えだぶり
)
を作って、
筆架
(
ひつか
)
をこしらえた事がある。それへ二銭五厘の
水筆
(
すいひつ
)
を立てかけて、白い穂が花と葉の間から、
隠見
(
いんけん
)
するのを机へ
載
(
の
)
せて楽んだ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
枝
常用漢字
小5
部首:⽊
8画
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“枝”で始まる語句
枝
枝折戸
枝垂
枝葉
枝折
枝垂桜
枝垂柳
枝豆
枝頭
枝折門