“えだぶり”の漢字の書き方と例文
語句割合
枝振100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
慣々なれなれしく私のそばへ来て、鍋のけてある水中みずのなかを覗いて見たり、土塀から垂下っていた柿の枝振えだぶりを眺めたり、その葉裏から秋の光を見上げたりして、何でもない主家うち周囲まわり
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
湯島から三里も来たころ、枝振えだぶりよき栂の枯木を見つけて写生する。すぐ近くの笹の中では、藪鶯が一羽二羽、ここに絵筆走らす旅人ありとも知らで、ささきの声がせわしない。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
たとえば遠方の山に桜が一本美しく咲いていても美の光りはる者の眼に映ずる。同じ場所に同じ大きさの松があって枝振えだぶり如何いかに面白くとも数歩の近くへ寄らなければその奇を賞する事が出来ない。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)