末寺まつじ)” の例文
伝通院地内でんつういんちない末寺まつじ盗棒どろぼう放火つけびをした。水戸様時分に繁昌はんじょうした富坂上とみざかうえの何とか云う料理屋が、いよいよ身代限しんだいかぎりをした。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
僧「あれは牛込の旗下はたもと飯島平左衞門様の娘で、先達さきだって亡くなりまして、全体法住寺ほうじゅうじへ葬むるはずのところ、当院は末寺まつじじゃから此方こちらへ葬むったので」
枕橋まくらばしを北へ渡って、徳川家の邸の南側を行くと、同じ側に常泉寺の大きい門がある。わたくしは本堂の周囲にある墓をも、境内の末寺まつじの庭にある墓をも一つ一つ検した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
末寺まつじながら上野では幅の利けた高徳、外に寺男の彌十老人と、小坊主が二人、それに檀家だんかから豫つて居るお類といふ年増女が一人、——年増といふとあだつぽく聞えますが
今はすで物故ぶっこしたそうですが、れは東本願寺の末寺まつじ光永寺こうえいじと申して、下寺したでらの三ヶ寺ももって居るず長崎では名のある大寺おおでら、そこの和尚が京にのぼって何か立身してかえって来て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
花の寺末寺まつじ一念三千寺
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
末寺まつじながら上野では幅の利いた高徳、外に寺男の弥十老人と、小坊主が二人、それに檀家から預かっているおるいという年増女が一人、——年増というとあだっぽく聞えますが
丁度六日目に美濃の南泉寺なんせんじ末寺まつじで、谷中の随応山ずいおうざん南泉寺の徒弟で、名を宗達そうたつと申し、十六才の時に京都の東福寺とうふくじへまいり、修業をして段々行脚あんぎゃをして、美濃路あたりへ廻って帰って来たので
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)