暴風雨ぼうふうう)” の例文
もう海上を長いあいだ漂流ひょうりゅうし、暴風雨ぼうふううと戦って根気こんきもつきはてた少年どもは、いま眼前に陸地を見ると、もういても立ってもいられない。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ここにえているや、くさたちは、ほんとうに雷鳴らいめいと、暴風雨ぼうふううよりほかにおそろしいものが、この宇宙うちゅう存在そんざいすることをらなかったのでした。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
暴風雨ぼうふううに吹き寄せられた花のように、袖門の端にかたまりあった。生ける心地もなげにおののき合って、順々に身のあらためをうけては城外へ出されていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どんな波が来ても、暴風雨ぼうふううになっても、水の上で生活していた三人は恐れない。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると二日ふつかめのよるのこと、おもいがけなく暴風雨ぼうふううあいまして、みんなまったくゆくえ不明ふめいになってしまいました。
つばめの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、富士男の父の所有する、スクーナーとしょうする帆船はんせんで、この団体は夏期休暇を利用して、近海航行についたのが暴風雨ぼうふううになやまされて、東へ東へと流されたのであった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「やはり、暴風雨ぼうふううでしょうね。いまにちょうがんできたらいてみましょう。」
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ただあらわしは、そのあし暴風雨ぼうふううなかけました。また、ゆきなかあるきました。またはやしや、砂漠さばくなかたにや、やまのいただきや、ところかまわずに、りたりんだりしたのでありましょう。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたして、その暴風雨ぼうふううといったら、たとえようのないほど、ものすごかったのであります。せみは、大木たいぼくまっていましたが、いくたびとされようとして、びっくりしたかしれません。
二つの運命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
暴風雨ぼうふううがやってきたともちがいますね。」
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)