日高ひだか)” の例文
日高ひだか郡ばかりでも弘法井は南部みなべ東吉田ひがしよしだ、上南部の熊岡、東内原ひがしうちはら原谷はらたににもあり、西内原の池田の大師堂の近くにもありました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
渡島國凾舘住吉町をしまのくにはこたてすみよしてう後志しりべし國余市川村、石狩いしかり空知監獄署用地ソラチかんごくしようようち日高ひだか捫別舊會所もんべつきうくわいじようら等よりは石鏃せきぞくを入れたるまま土器どき掘出ほりだせし事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そはこの話にとどまらず、安珍あんちん清姫きよひめの話を翻訳したる「紀州きしう日高ひだかの女山伏やまぶしを殺す事」も然り、くずの話を翻訳したる、「畜類人とちぎ男子をのこを生む事」
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
安珍は逃げ場に窮して、日高ひだか郡にある道成寺どうじょうじにのがれ、救いをもとめた。寺僧は彼のねがいをいれた。ただちに、僧をあつめて、大鐘を下し、その内に、安珍を納した。
京鹿子娘道成寺 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
今や十二時にも成りなんにと心に懸けながら、その音は聞くに及ばずしてつひねむりを催せり。日高ひだかき朝景色の前に起出づれば、座敷の外を小婢こをんな雑巾掛ぞうきんがけしてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一昨年の冬にも犬の皮一枚と猟銃と塩一升いっしょうだけを身につけて、十二月から翌年の二月一杯にかけて、この十勝の連峯から日高ひだか山脈にかけた雪嶺せつれいの中を一人で歩きまわって来たというのである。
十四のとき、日高ひだか国の幌泉ほろいずみの浜へウニを捕りに行き、捕ったウニを岩の上に上げて、昼食をとりに帰っていると、沖の方でカクラ‼ と呼ぶ声がした。ホーと返事して浜へ出て見たが誰もいない。
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
胆振、日高ひだか沙流さる、旭川市近文ちかぶみなどで。
和歌山県日高ひだか
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)