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提灯
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かんばん
ふりがな文庫
“
提灯
(
かんばん
)” の例文
旧字:
提燈
千住の
宿場遊廓
(
しゅくばぐるわ
)
から飛んで来た帰り
駕
(
かご
)
の
提灯
(
かんばん
)
らしいのが、どう道を勘ちがいしたか、刑場の原へぶらぶら迷いこんで来る様子——
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、二台、月に
提灯
(
かんばん
)
の
灯
(
あかり
)
黄色に、
広場
(
ひろっぱ
)
の端へ
駈込
(
かけこ
)
むと……
石高路
(
いしたかみち
)
をがたがたしながら、板塀の小路、土塀の辻、
径路
(
ちかみち
)
を縫うと見えて、寂しい処幾曲り。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小
(
こ
)
さんの落語が半ばに至った時、春の日は暮懸っての命が長く、水を隔てゝ御蔵橋を駈下りる車にまだ
提灯
(
かんばん
)
は
点
(
つ
)
いて居なかったが、座敷にははや燭台の花が咲いて
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
こんどは間違いッ子なしだゼ——
提灯
(
かんばん
)
に、赤い字で、つた家と書いてあらあ——かご屋はぐるなんだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
こんどは
提灯
(
かんばん
)
かりの
通勤
(
かよい
)
だったので、おなじ芸妓屋町に住居をもった。
旧聞日本橋:13 お墓のすげかえ
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
人力車
(
じんりき
)
の
提灯
(
かんばん
)
点
(
つ
)
けて客待つとならぶ河辺に蛍飛びいづ
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と、のぞき出した半白半黒、それをおばこに
結
(
ゆ
)
ったのが、ばらばらに乱れて、細長く
萎
(
しな
)
びた、
疎
(
まば
)
ら歯の婆さん——その顔が
提灯
(
かんばん
)
の灯に、おぼろに照されて、ばけ物じみている。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
敷石も、溝板も、何よりはじまるともなしに白くなって、
煙草
(
たばこ
)
屋の店の
灯
(
ともしび
)
、おでんの
行燈
(
あんどう
)
、車夫の
提灯
(
かんばん
)
、いやしくもあかりのあるものに、一しきり一しきり、綿のちぎれが
群
(
むらが
)
って
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「待ちねえ。駕といやあ、さっきそこの
鳥居側
(
とりいわき
)
に、
提灯
(
かんばん
)
が二つ見えていた筈だが……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄関へ下立つと今日
周章
(
あわ
)
てゝ穿ちがえて来たものか、銭湯行の下駄が勿体らしく揃えてあるので、これにも
狼狽
(
うろた
)
えて戸口へ出て、柳という字を赤く太く
提灯
(
かんばん
)
へ書いた車へ乗ろうとして
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
芝居
好
(
ずき
)
な方で、酔っぱらった遊びがえりの真夜中に、あなた、やっぱり芝居ずきの
俥夫
(
くるまや
)
と話がはずむと、壱岐殿坂の
真中
(
まんなか
)
あたりで、
俥夫
(
わかいしゅ
)
は吹消した
提灯
(
かんばん
)
を、鼠に踏まえて、
真鍮
(
しんちゅう
)
の
煙管
(
きせる
)
を鉄扇で
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“提灯”の意味
《名詞》
照明具のひとつ。竹ひごなどに紙を貼ったものを風防として、内部に明かりを灯し周囲を照らすもの。一般には携行できる大きさのもので、収納にあたってたたむことができる。
(出典:Wiktionary)
“提灯”の解説
提灯(ちょうちん)は、伸縮自在な構造で細い割竹等でできた枠に紙を貼り底に蝋燭を立てて光源とするもの。現代では蝋燭ではなく電気による光源のものもある。
(出典:Wikipedia)
提
常用漢字
小5
部首:⼿
12画
灯
常用漢字
小4
部首:⽕
6画
“提灯”で始まる語句
提灯屋
提灯持
提灯箱
提灯祭
提灯印
提灯玉
提灯篝
提灯骨
提灯行列
提灯釣鐘