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捲上
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まきあ
ふりがな文庫
“
捲上
(
まきあ
)” の例文
暮れてから町々の
提灯
(
ちょうちん
)
は美しく
点
(
とも
)
った。
簾
(
すだれ
)
を
捲上
(
まきあ
)
げ、店先に
毛氈
(
もうせん
)
なぞを敷き、
屏風
(
びょうぶ
)
を立て廻して、人々は端近く座りながら涼んでいた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其時そこに向いて
下
(
おろ
)
してあった
簾
(
すだれ
)
を
捲上
(
まきあ
)
げたので、そなたを見ると、好き装束した女の姿が次第にあらわれた。簾は十分に上げられた。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
簾
(
すだれ
)
捲上
(
まきあ
)
げし二階の窓に
夕栄
(
ゆうばえ
)
の
鱗雲
(
うろこぐも
)
打眺め
夕河岸
(
ゆうがし
)
の
小鰺
(
こあじ
)
売行く声聞きつけて
俄
(
にわか
)
に
夕餉
(
ゆうげ
)
の仕度
待兼
(
まちかぬ
)
る心地するも町中なればこそ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
だん/\
漕
(
こ
)
いでまいりますと、
俄
(
にわ
)
かに
空合
(
そらあい
)
が悪くなりまして、どゝん/″\と打寄する浪は山岳の如く、舟は天に
捲上
(
まきあ
)
げられるかと思う間もなく
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
青い
簾
(
すだれ
)
が白房で半ば
捲上
(
まきあ
)
げられ、それを幾町が間か肩にかつぎあげずに静々と柳橋から蔵前通りへと練り歩かれた。
旧聞日本橋:13 お墓のすげかえ
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
常雇
(
じょうやとい
)
の作男で、納屋に寝泊りして働いているが、何でも少しばかりの借金の
抵当
(
かた
)
に祖先伝来の田地を寅旦那に
捲上
(
まきあ
)
げられ、娘のお美代を売っても追っ付かないから
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
帰ろうとして外へ出た時、顔を黒く
隈
(
くま
)
どり、腰布のうしろを
捲上
(
まきあ
)
げて
臀部
(
でんぶ
)
の入墨をあらわした一人の男が進み出て、妙な踊をして見せ、小刀を空高く投上げて、それを見事に受けとめて見せた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
不得要領に
捲上
(
まきあ
)
げらるべき性質の時計ではなかったのだ! 青年の恨みを、十分に
籠
(
こ
)
めて
叩
(
たた
)
き返さなければならぬ時計だったのだ!
殊
(
こと
)
に、青年の手記の
中
(
うち
)
の彼女が、瑠璃子夫人であることが
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
牙と舌を
剥出
(
むきだ
)
して、犬ですね、
狆
(
ちん
)
か
面
(
つら
)
の長い洋犬などならまだしも、尻尾を
捲上
(
まきあ
)
げて、耳の
押立
(
おった
)
った、痩せて
赤剥
(
あかはげ
)
だらけなのが
喘
(
あえ
)
ぎながら
掻食
(
かっくら
)
う、と云っただけでも浅ましさが——ああ、そうだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人の富豪から莫大な金を
捲上
(
まきあ
)
げたのだった。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
常雇
(
じやうやとひ
)
の作男で、納屋に寢泊りして働いてゐるが、何んでも少しばかりの借金の
抵當
(
かた
)
に祖先傳來の田地を寅旦那に
捲上
(
まきあ
)
げられ、娘のお美代を賣つても追つ付かないから
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その証文
面
(
めん
)
の百という字の上に三の字を加筆いたし、いや百両ではない、三百両だ、もう二百両持って来なければ女房を返す訳には
行
(
ゆ
)
かぬと云って、只百両の金を
捲上
(
まきあ
)
げてしまいました
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
捲
漢検準1級
部首:⼿
11画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“捲上”で始まる語句
捲上場