押分おしわけ)” の例文
鳴し稍丑滿頃とも思ふ頃あやしやはるふもとの方よりがさ/\わさ/\と小笹をさゝ茅原かやはら押分おしわけて來る氣態けはひなればお粂は屹度きつと氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
弦月丸げんげつまる舷梯げんていたつすると、私共わたくしども乘船じやうせんことすで乘客じやうきやく名簿めいぼわかつてつたので、船丁ボーイはしつてて、いそがはしく荷物にもつはこぶやら、接待員せつたいゐんうや/\しくぼうだつして、甲板かんぱん混雜こんざつせる夥多あまたひと押分おしわけるやらして
取て突退つきのけ名主手代を左右へ押分おしわけ動乎どつかすわりし男を見れば下に結城紬ゆふきつむぎの小袖二ツ上は紺紬こんつむぎに二ツ井桁ゐげた紋所もんどころつきし小袖を着五本手縞の半合羽はんかつぱ羽折はをり鮫鞘さめざやの大脇差を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
押分おしわけるに見物山の如くにて近寄事かなはず其中に討入の者の名前がき賣歩行うりあるくゆゑ買取かひとりて見るに寺坂吉右衞門迄名前有共あれども小山田と云は無しは記者の間違まちがひならんと又賣來るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)