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抱茗荷
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だきみょうが
ふりがな文庫
“
抱茗荷
(
だきみょうが
)” の例文
丁度九月十一日で、余程寒いから素肌へ馬の腹掛を巻付けましたから、
太輪
(
ふとわ
)
に
抱茗荷
(
だきみょうが
)
の紋が肩の処へ出て居ります、妙な
姿
(
なり
)
を致して
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
御定紋
(
ごじょうもん
)
は、たしかに
抱茗荷
(
だきみょうが
)
のようでございましたね、抱茗荷ならば鍋島様でございます、佐賀の鍋島様、三十五万七千石の鍋島様のお通りだ」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何気なく人形の背中を見ると、そこには『
抱茗荷
(
だきみょうが
)
の説』と、書かれてある。もし君子の記憶に抱茗荷の紋がなかったら、なんのことか分からなかったに違いない。
抱茗荷の説
(新字新仮名)
/
山本禾太郎
(著)
余謹聴しつつ
徐
(
おもむろ
)
にその人を看るに紋付の羽織を着たり。侃々諤々の論未終らざるに余
遽
(
にわか
)
に問うて曰く貴兄の羽織には紋あり見る処
抱茗荷
(
だきみょうが
)
に似たり。抱茗荷は鍋島様の御紋なり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
紐
(
ひも
)
の色、
高蒔絵
(
たかまきえ
)
、いくらか似てはおりますが、よくよく見ると、まるっきり違った品で、金蒔絵で散らした紋も、鷹の羽がいつの間にやら
抱茗荷
(
だきみょうが
)
になって、厳重にしたはずの封印もありません。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
うしろから
翳
(
かざ
)
しかけた大傘の紋処はいわずと知れた金丸長者の
抱茗荷
(
だきみょうが
)
と知る人ぞ知る。
鼈甲
(
べっこう
)
ずくめの櫛、
簪
(
かんざし
)
に後光の
映
(
さ
)
す玉の
顔
(
かんばせ
)
、柳の眉。
綴錦
(
つづれにしき
)
の
裲襠
(
うちかけ
)
に銀の
六花
(
むつばな
)
の
摺箔
(
すりはく
)
。五葉の松の縫いつぶし。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
驚くべきは顔色であって、
白皙
(
はくせき
)
に赤味を加えている、二十歳時代の、青年の顔の色そっくりというべきであった。鉄色の羽織を着ていたが、それは高価な
鶉織
(
うずらおり
)
らしく、その定紋は
抱茗荷
(
だきみょうが
)
である。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「でも、鎧の
胸当
(
むねあて
)
にある御紋は、初鹿野家の
抱茗荷
(
だきみょうが
)
の御紋です」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを二つ合せて萬屋の萬の字を附けたのが始りだと申しますが、
不粋
(
ぶいき
)
な紋もありますが、僕のは
太輪
(
ふとわ
)
にして中を小さく
為
(
し
)
ても
抱茗荷
(
だきみょうが
)
はいけません
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母の発足当時の祖母の話を思いだすと、なぜか妙に君子には
抱茗荷
(
だきみょうが
)
の紋と、
椿
(
つばき
)
の花が思い出される。
抱茗荷の説
(新字新仮名)
/
山本禾太郎
(著)
前の
駕籠側
(
かごわき
)
には一人の供が槍を
担
(
かつ
)
いでついている、後ろの
提灯
(
ちょうちん
)
の紋は
抱茗荷
(
だきみょうが
)
。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まず着物をはがし、襦袢から着物、帯にいたるまで
丹念
(
たんねん
)
に調べて見たが、そこにはなんの不思議もなかった。背中に書いてある『
抱茗荷
(
だきみょうが
)
の説』とは、結局
相剋
(
そうこく
)
する双生児の伝説に違いない。
抱茗荷の説
(新字新仮名)
/
山本禾太郎
(著)
抱
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
茗
漢検1級
部首:⾋
9画
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
“抱”で始まる語句
抱
抱擁
抱一
抱主
抱妓
抱負
抱合
抱込
抱起
抱懐