“だきみょうが”の漢字の書き方と例文
語句割合
抱茗荷100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余謹聴しつつおもむろにその人を看るに紋付の羽織を着たり。侃々諤々の論未終らざるに余にわかに問うて曰く貴兄の羽織には紋あり見る処抱茗荷だきみょうがに似たり。抱茗荷は鍋島様の御紋なり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ひもの色、高蒔絵たかまきえ、いくらか似てはおりますが、よくよく見ると、まるっきり違った品で、金蒔絵で散らした紋も、鷹の羽がいつの間にやら抱茗荷だきみょうがになって、厳重にしたはずの封印もありません。
うしろからかざしかけた大傘の紋処はいわずと知れた金丸長者の抱茗荷だきみょうがと知る人ぞ知る。鼈甲べっこうずくめの櫛、かんざしに後光のす玉のかんばせ、柳の眉。綴錦つづれにしき裲襠うちかけに銀の六花むつばな摺箔すりはく。五葉の松の縫いつぶし。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)