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手斧
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ておの
ふりがな文庫
“
手斧
(
ておの
)” の例文
勝
国手
(
こくしゅ
)
と立花画師との他は、皆人足で、食糧を持つ他には、道開き或いは熊
避
(
よ
)
けの為に、
手斧
(
ておの
)
、
鋸
(
のこぎり
)
、
鎌
(
かま
)
などを持っているのであった。
壁の眼の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
そのときはもう、
裏
(
うら
)
にまわった透明人間が、
物置
(
ものおき
)
から
探
(
さが
)
しだした
手斧
(
ておの
)
で、ガンガン、
台所
(
だいどころ
)
のドアを
叩
(
たた
)
きこわしてるところだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
それは一丁のなまくらな
手斧
(
ておの
)
を、室内のうす暗い片隅から拾い上げたのだ。しかもそのにぶい刃先には、なんと赤黒い血がこびりついていた。
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
熊城は最初音響を確かめてから、それらしい部分に
手斧
(
ておの
)
を振って、
羽目
(
パネル
)
に叩きつけると、はたしてそこからは、無数の絃が鳴り騒ぐような音が起った。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
大工がしきりに
鉋
(
かんな
)
や
手斧
(
ておの
)
の音を立てているが、清三は気分のいい夕方などには、てくてく出かけて行って、ぽつねんとして立ってそれを見ていることがある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
それでもつて
撲
(
ぶ
)
ち殺してある、
鉋
(
かんな
)
や
鑿
(
のみ
)
や鋸や、または
手斧
(
ておの
)
や
曲尺
(
まがりかね
)
や
凖
(
すみ
)
縄や、すべての
職業道具
(
しようばいどうぐ
)
受け出して、明日からでも立派に仕事場へ出て、一人の母にも安心させ
もつれ糸
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
造兵へ出る
辰
(
たつ
)
さんが肌を抜いで酒を
呑
(
の
)
んでいると、御酒を呑んでてよと御母さんに話す。大工の
源坊
(
げんぼう
)
が
手斧
(
ておの
)
を
磨
(
と
)
いでいると、何か磨いでてよと御祖母さんに知らせる。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頭には、上から落ちてくる岩をふせぐための弾力のある帽子をしっかりかぶり、手にはするどい
鉤
(
かぎ
)
のついた小さい
手斧
(
ておの
)
と、強い
燭光
(
しょっこう
)
の
手提灯
(
てさげとう
)
をもち、腰には長い綱をさげていた。
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と対馬守、
手斧
(
ておの
)
や木くずや、散らかっている道具をまたいで、小屋へはいってきた。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
伊達藩宿老の家格も要らない、自分には弓と
手斧
(
ておの
)
と山刀と、寝袋があれば充分だ。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
伊勢大神宮の御用林もその中にございます。それを、高さ二十間もある大木を、この辺の
樵夫
(
きこり
)
は
手斧
(
ておの
)
で伐り倒しますが、その
技
(
わざ
)
の鮮やかさは、これも他国の者が舌を巻いておりまする。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
藤作は薪割りの
手斧
(
ておの
)
を振りあげながらいった。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
武蔵は、斧や
手斧
(
ておの
)
で、面皮をとる。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこへ、
手斧
(
ておの
)
が頭上の高さに
回転
(
かいてん
)
しながら、ホールに飛びこんできた。
大乱闘
(
だいらんとう
)
となった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そのちょっと引っ張ると解けるひっとき結びの短い一端へ、この細紐をこのとおりに結びつけて、さて旋回機のウィンチに捲きついているロープを、そうだ、あの
手斧
(
ておの
)
で叩ッ切る。
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
そして錠を壊すのであろう、
手斧
(
ておの
)
の響きがするどく耳をうった、「……明真か」俊恵はそう叫んで扉口へすり寄った、錠の落ちる音がし、扉が開いた、かれは思わず眼を
掩
(
おお
)
った、扉が開くといきなり
荒法師
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
驚きのあまりそばにありあわせた
手斧
(
ておの
)
を振るって看守の頭へ打ち下ろす。
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
“手斧”の解説
手斧(ておの)は、おもに片手で振る小型の斧。おもに薪の小割りや枝払いなど、通常の両手で振るう斧よりも細かい作業に用いられる。ハンドアックス (hand axe)、ハチェット (hatchet) などとも称される。
(出典:Wikipedia)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
斧
漢検準1級
部首:⽄
8画
“手斧”で始まる語句
手斧初
手斧削
手斧傷
手斧始
手斧屑
手斧目
手斧鍬