手探てさぐり)” の例文
半時間毎はんじかんごとくらいかれ書物しょもつからはなさずに、ウォッカを一ぱいいでは呑乾のみほし、そうして矢張やはりずに胡瓜きゅうり手探てさぐりぐ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
心にだけも盲目めくらになったと思うまい、目が見えないたあいうまいと、手探てさぐりの真似もしないで、苦しい、切ないおもいをするのに、何が面白くッてそんな真似をするんだな。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「御神さん、電車へ乗るなら、此所ここじゃ不可いけない。向側だ」と教えながら歩き出した。神さんは礼を云っていて来た。代助は手探てさぐりでもする様に、暗い所を好加減に歩いた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
手探てさぐりで歩きながら人を切る。
半時間毎はんじかんごとくらゐかれ書物しよもつからはなさずに、ウオツカを一ぱいいでは呑乾のみほし、さうして矢張やはりずに胡瓜きうり手探てさぐりぐ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「御神さん、電車へ乗るなら、此所こゝぢや不可いけない。向側むかふがはだ」と教へながらあるした。神さんは礼を云つていてた。代助は手探てさぐりでもする様に、くらい所を好加減いゝかげんあるいた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「どうも、この襟飾えりかざりすべっていけない」と手探てさぐりに位地を正しながら
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)