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手古
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てこ
ふりがな文庫
“
手古
(
てこ
)” の例文
それに対して署長は
苦笑
(
にがわら
)
いをしながら、イヤどうも万事あの調子なので、
訊問
(
じんもん
)
に
手古
(
てこ
)
ずったがと前置きして、次のように説明した。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白い
鬚
(
ひげ
)
を長く延ばした爺さんであつたが、なかなか重いと見え、人夫は白い息をふうふうと吐いて少し
手古
(
てこ
)
ずり、すると、人々の間から
釜ヶ崎
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
少年少女がこんな性質を
無暗
(
むやみ
)
に発揮してくれると、教育家は月給や首に関係し、父母は面目や財産に関係し、当局は取締に
手古
(
てこ
)
ずるからであろう。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
酔っ払っちゃあどこの家へも
這入
(
はい
)
りこんで、宿を貸せの、
小費
(
こづか
)
いを出せの、文句をいえば、暴れ廻るし、いやもう
手古
(
てこ
)
ずり抜いたものとみえまさ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すさまじい
悖反
(
はいはん
)
がある、それが為に我輩の悩まされたると
手古
(
てこ
)
ずらされた事は少々なものでなかった。
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
彼なれば、警察が
手古
(
てこ
)
ずった難事件をやすやすと解決したという話を幾つも聞いている。
殊
(
こと
)
に人間
豹
(
ひょう
)
のような怪犯人には、明智こそ似つかわしいのではあるまいか。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
などと、感傷にひたりきつて、繼母のお
酉
(
とり
)
と下女のお今を
手古
(
てこ
)
ずらせ、末娘のお露は、打ち續く怪奇な事件と、それに
伴
(
ともな
)
ふ人の出入りに
脅
(
おび
)
えて、たゞおど/\するばかりです。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あいつ、俺の
手古
(
てこ
)
にはおへんわ。近頃は婦人参政権の運動を起すなど言うているぜ」
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
「時にこんな物を加賀様のお
手古
(
てこ
)
の人に貰ったから、おふくろにやってくんねえ」
半七捕物帳:22 筆屋の娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
神さまでも
手古
(
てこ
)
ずるくらい纏まらない物体だ。しかし自分だけがどうあっても纏まらなく出来上ってるから、
他人
(
ひと
)
も自分同様
締
(
しま
)
りのない人間に違ないと
早合点
(
はやがてん
)
をしているのかも知れない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
滝本は、仕末の悪い酔つ払ひをあしらひ兼ねるように
手古
(
てこ
)
ずつた。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
城太郎を
従
(
つ
)
れていると、城太郎はよく甘える。ねだったり、だだをこねたり、わがままをいって
手古
(
てこ
)
ずらせたり——
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妓
(
おんな
)
たちを
手古
(
てこ
)
ずらせていたが、その寒巌枯骨ともいえるような細ッこい老躯の中には、なかなか
利
(
き
)
かない気性が
潜
(
ひそ
)
んでいるらしく、さっき白紙の返書を
遣
(
よ
)
こしたり、あちらの別室で
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生命
(
いのち
)
かぎり、悪いことして、
手古
(
てこ
)
ずらしてみせてやる
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“手古”で始まる語句
手古摺
手古舞
手古奈
手古擦
手古林
手古盛
手古舞姿