“手古擦”の読み方と例文
読み方割合
てこず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒眼鏡はそんな皮肉に応酬するよりも、咽喉一杯に、雑巾のように押し込んだビーフに手古擦てこずっていたのだ。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
余の如く機械的の便利には夫程それほど重きを置く必要のない原稿ばかり書いているものですら、又買い損なったか、使い損なったため、万年筆には多少手古擦てこずっているものですら
余と万年筆 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あれ以来、娘の茫然ばうぜんとした無口にわたしは手古擦てこずつてゐる。——娘も婆やもわたしを敬遠して、その癖言ひ分ありげな様子を見せてゐる。その態度がわたしにこらへられなかつた。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)