手前てまい)” の例文
とんと手前てまい商いのことは知りません、家来がやると申すので始めましたのだけれども、やすう売るのを咎めるのはおかしいように心得ます
「ハハハ、じたばたするない。手前てまいわしでもまだ羽の生えそろはない子供だ。そんな大それた真似まねをするのは、早いぞ!」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
女「あゝあ………はい手前てまいでございます……お師匠さん貰人もらいにんが来ましたよ、一夜ひとよ明ければすぐに来るんだから驚くね何うも」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これ/\早く箱を片附かたづけなよ。客「ナニ片附かたづけぬでもよろしい、手前てまい世辞せじかひたのです。主人「イヽエういたして手前共てまいどもでは仲間売なかまうりいたしませぬ。 ...
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
束「宜しい、武家と申してお百姓を威かし不法な事を申す、手前てまい掛合って仕儀に依っては、素首すこうべを打ち落して見せる」
小「さアどうぞこれへ/\、うこそのおいで、手前てまいは稻垣屋小助と申す小商売を致すもの、此のとも御贔屓に御用向を仰せ聞けられますように」
手前てまい此処こゝ金円きんえんを所持してる……此の五百円の金を差上げるから、わがあとに妹をお身請なされて
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
へえ手前てまいは此の旦那のお供をして参りました由兵衞と申すものでございますが、貴方は何んの御用で入らっしゃいました、峯松と申す車夫くるまひきは伊香保へ残して置き
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手前てまい此の娘子むすめごに決して不自由はさせません積りで、へい奉公人も大勢使って居りますが其の中にい心掛の者がありますから是を養子に貰おうと存じて居りました処
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手前てまいは名もなき浪人でございます、いえ恐入ります、左様でございますか、実は拙者は松蔭大藏と申して、根岸の日暮が岡の脇の、乞食坂をりまして左へ折れた処に
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
相「左様ならば、どうか孝助だけを御当寺ごとうじへおめ置きくだされ、手前てまいだけ帰りましょうか」
フムそれは………まだ/\/\………あッあく成りくはみんな不孝のばちである……手前てまい二十四歳の折に放蕩無頼で、元の会津の屋敷を出る折に、父が呆れて勘当を致す時に一首の歌を書いて
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
阿「手前てまいは白を持ったことはない、お前は上手らしいからわしは黒が宜い」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又「初めて、手前てまい水司又市と申す者、勝手を心得ぬから何分頼む」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幸「はい、橋本幸三郎は手前てまいでございますが、何方でげすか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
瀧「はい手前てまいでございますが、何方いずれからお出でゞす」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)