“懇(ねもごろ)” の例文
是(こ)の故に智識に預る者は懇(ねもごろ)に至誠を発して各介福(おほいなるさきはひ)を招かば、宜(よろ)しく毎日三たび廬舎那仏を拝し、自ら念を存し各廬舎那仏を造るべし
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「わがザックセンに日本の公使置かれむをりは、いまの好(よしみ)にて、おん身の来(こ)むを待たむ、」など懇(ねもごろ)に聞(きこ)えさせ玉ふ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
みちばたのさくらの太根(ふとね)玉葱(たまねぎ)を懇(ねもごろ)いだきわがいこひたり
桜 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
悔(くい)と夜(よ)のなげかひを懇(ねもごろ)に通夜(つや)し見まもる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
妃は髪黒く丈(たけ)低く、褐(かち)いろの御衣(おんぞ)あまり見映せぬかはりには、声音(こわね)いとやさしく、「おん身は仏蘭西(フランス)の役(えき)に功ありしそれがしが族(うから)なりや、」など懇(ねもごろ)にものし玉へば、いづれも嬉しとおもふなるべし。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)