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慣例
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かんれい
櫻島噴火は
著しい
前徴を
備へてゐた。
數日前から
地震が
頻々に
起ることは
慣例であるが、
今回も
一日半前から
始まつた。
と云う
慣例の挨拶を
交わして、其の
群に入る。一本の旗には「
諸行無常」、一本には「
是生滅法」、一本には「
皆滅々己」、今一本には何とか書いてある。其上にはいずれも
梵字で何か書いてある。
それ
故にこれ
等の
異變がある
度に、
奉幣使を
遣して
祭祀を
行ひ、
或は
神田を
寄進し、
或は
位階勳等を
進めて
神慮を
宥め
奉るのが、
朝廷の
慣例であつた。
もし
櫻島のように
四合目邊りから
裂け
目を
作り
始め、そこから
鎔岩を
流す
慣例を
持つてゐるものならば、
其裂け
目を
完全にするために、
先づ
土砂を
吹き
飛ばす
等の
働きをする。