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悲壯
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ひそう
爭ひ
將棋に
敗れて
血を
吐いて死ぬなどは一
種の
悲壯美を
感じさせるが、
迂濶に死ぬ事も出來ないであらう
現代の
專門
棋士は平
凡に
虎の
嘯くとよりは、
龍の
吟ずるが
如き、
凄烈悲壯な
聲であります。
而もジリリと心にかぶさつてくる生
活問題の重
壓を一方に
擔ひながら、
寧ろより
悲壯な
戰ひを
戰つてゐると見られぬ事はない。
假りにも名人上手とうたはれた者は年をとつてつまらぬ
棋譜を
殘すべきでない——と自重を切
望したといふ。これは或る
意味で
悲壯な、而も
甚だ
味ふべき
詞だ。