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心地好
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こゝちよ
御米はさも
心地好ささうに
眠つてゐた。つい
此間迄は、
自分の
方が
好く
寐られて、
御米は
幾晩も
睡眠の
不足に
惱まされたのであつた。
然るからに執念の留まれるゆゑにや、常には
然せる
怪無きも、
後住なる旗野の家に
吉事ある
毎に、
啾々たる
婦人の
泣声、不開室の内に聞えて、
不祥ある時は、さも
心地好げに笑ひしとかや。
... そりや
玉ちやんは
可愛らしくつて
大人しいわ』と
半ば
呟きながら
涙の
池を
物憂げに
泳ぎ
廻りました、『それから、
玉ちやんは
圍爐裏の
傍にさも
心地好ささうに、
咽喉をゴロ/\
云はせながら
坐つて、 ...