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おんぞうし
ふりがな文庫
“
御曹司
(
おんぞうし
)” の例文
右近将監
(
うこんしょうげん
)
様の
御曹司
(
おんぞうし
)
、風流洒落の貴公子として、
穏
(
おとな
)
しく殿がおわすなら、私も京伝や蜀山人の伴侶、雅号蝸牛の舎の貝十郎として
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ついでに、脇差の
笄
(
こうがい
)
をぬらし、
鬢
(
びん
)
の乱れをなでつけて、
衣
(
え
)
紋を直した落着きは、こんな場合にも、さすが尾張の
御曹司
(
おんぞうし
)
です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「私の一存ではどうもなりませぬ、九郎
御曹司
(
おんぞうし
)
に伺いを立てました上で」
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
まず紀州様の
御曹司
(
おんぞうし
)
、萩丸様を取り返し、明暦義党の謀叛人どもを、一人のこらず討ってとれと、一万にあまる大兵を出し……
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「お
城
(
しろ
)
ちかくをうろついているとは、不敵なやつ。尋常にせねば
縄
(
なわ
)
をうつぞ、
甲斐源氏
(
かいげんじ
)
の
御曹司
(
おんぞうし
)
、
縄目
(
なわめ
)
を、
恥
(
はじ
)
とおもわば、
神妙
(
しんみょう
)
にあるきたまえ——」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
虫部屋の恐怖が十八歳の、貴族の
御曹司
(
おんぞうし
)
をそうさせたので、その萩丸の痴呆状態は、菊女達義党の人々にとっては、しかし
勿怪
(
もっけ
)
の幸いであった。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どうっと、転び落ちる土煙とともに、袁紹以下、
旗下
(
はたもと
)
達も、声をあわせて、
御曹司
(
おんぞうし
)
袁尚の手柄をどっと賞めたたえた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高ノ
御曹司
(
おんぞうし
)
とは、つまりその人の養子なのだ。もとは高家の叔父、高三郎の子であるが、貰われて、時めく近衛大将軍家の
公達
(
きんだち
)
とはなったのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴族の
御曹司
(
おんぞうし
)
の一本気と、世間知らずのわがままと、若さから来る直情とで、萩丸はこう云うとヒョロヒョロした体で、立ち上がって部屋を出ようとした。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「されば、それがしの主君勝家より密命があって、ご不運なる
武田家
(
たけだけ
)
の
御曹司
(
おんぞうし
)
へ、ひとつの
贈
(
おく
)
り物をいたそうがため」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それそいつがよくない
洒落
(
しゃれ
)
だ。かりにも観世の
御曹司
(
おんぞうし
)
が、地口を語るとは不似合だな」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
主人
勝家
(
かついえ
)
こそははるかに
御曹司
(
おんぞうし
)
のお
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
をあんじている、無二のお味方、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
をお手にいれたあかつきは、およばずながらよしみをつうじて、ご
若年
(
じゃくねん
)
のお
行
(
ゆ
)
く
末
(
すえ
)
を
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかに相手が奇矯におわす、名門の
御曹司
(
おんぞうし
)
であろうとも、素姓も知れず事情も解らない、一面識のそんな女を、送って行けといわれたところで、おいそれと引き受けることは出来なかった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
遠目に見ても
眩
(
まばゆ
)
いばかりな
扮装
(
いでたち
)
は、いうまでもなく曹家の
御曹司
(
おんぞうし
)
曹彰
(
そうしょう
)
にちがいはない。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこは貴族の
御曹司
(
おんぞうし
)
であり、貴族趣味から遁がれられないところの、冬次郎にとっては前代未聞の恥辱、いうにいわれぬ
忿懣
(
ふんまん
)
となって、貝十郎に対し公憤以外、私怨を感ぜざるを得なかった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すると
曹丕
(
そうひ
)
の随臣は、「
御曹司
(
おんぞうし
)
のお顔を知らんか」と、あべこべに叱りとばした。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴族の
御曹司
(
おんぞうし
)
たる彼としては、まさに破格の生活であった。難行苦行の生活であった。食物にも不足した。着る物にも不足した。吹雪は
用捨
(
ようしゃ
)
なく吹き込んで来た。しかも十分の燃料さえない。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
尾張中将の
御曹司
(
おんぞうし
)
——徳川家の門葉六十万石の気位は、時と場所と自身の変装とを忘れしめて、投げつけられた不浄道具に、かッと、若殿らしい
憤
(
いきどお
)
りの大喝を、袋地の隅へゆるがせました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ナニ、冷泉卿の姫君とな。……ふうむこいつは驚いたな。……飛鳥井家の
御曹司
(
おんぞうし
)
に冷泉家の姫か、嘘にしても大したもの、もし本当なら捨てては置けない。ともかくも城内へ請じ入れるよう」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あけろ、わしじゃ、大弥太じゃ! ……
御曹司
(
おんぞうし
)
様のご帰館じゃ」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
御曹司
(
おんぞうし
)
のことゆえ、さだめし義朝が先になって
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何しろ変った
御曹司
(
おんぞうし
)
ですよ。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴族の
御曹司
(
おんぞうし
)
に相違ない。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
御曹司
(
おんぞうし
)
、耳はないのか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“御曹司”の解説
御曹司 (おんぞうし)は、宮中や貴族の私室を敬って言う言葉。転じてそこに住まう人を指す。
(出典:Wikipedia)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
曹
常用漢字
中学
部首:⽈
11画
司
常用漢字
小4
部首:⼝
5画
“御曹”で始まる語句
御曹子
御曹子万綱