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御入来
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おいで
中々大人は知らん
処へ
御来臨のない事は
存じて
居りましたが、一
度にても先生の
御入来がないと
朋友の
前も
実に
外聞悪く思ひます所から、
御無礼を
顧みず
再度書面を
差上げましたが
『好く
御入来下さいました。さあ、
何卒まあ
是方へ。』
お
断りのみにて
今日も
御入来は
有るまいと
存じましたが、
図らざる
所の
御尊来、
朋友の
者に
外聞旁誠に
有難い事で
恐入ります……
何うもお
身装の
工合、お
袴の
穿やうから
更にお
飾りなさらん所と
云ひ
早くして
呉れ「エヽもう二三
人御入来になると
直に始まります。 ...