-
トップ
>
-
徐大盡
>
-
じよだいじん
「
待て、」と、
徐大盡が
手を
開いて
留めたも
道理、
驚いたも
其の
筈で、
今の
美しい
扉の
模樣は、
己が
美妻の
閨なのであつた。
徐大盡眞前に、ぞろ/\と
入ると、
目も
眩むやうな
一面の
櫨の
緋葉、
火の
燃るが
如き
中に、
紺青の
水あつて、
鴛鴦がする/\と
白銀を
流して
浮ぶ。
徐大盡何としたか、やあ、と
云ふ
間に、
扉のなりに
身を
躱して、
畫師が、すつと
我手で
開けて