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とうだい
当代の
人気役者宗十
郎に
似ていると、
太鼓持の
誰かに一
度いわれたのが、
無上に
機嫌をよくしたものか、のほほんと
納まった
色男振りは、
見る
程の
者をして
私は
当代の
花形作家で
且詩人であるところのS
氏の
側へ
寄つて
行つた。
当代一の
若女形、
瀬川菊之丞なら、
江戸一
番のお
前の
相手にゃ、
少しの
不足もあるまいからの。——
判った。
相手がやっぱり
役者とあれば、
堺屋に
会うのは
気が
差そう。
「
王子路考」の
名は、
押しも
押されもしない、
当代随一の
若女形と
極まって、
出し
物は
何んであろうと
菊之丞の
芝居とさえいえば、
見ざれば
恥の
如き
有様となってしまった。