彌次郎やじらう)” の例文
諸君しよくんかずや、むかし彌次郎やじらう喜多八きたはちが、さもしいたびに、いまくひし蕎麥そば富士ふじほど山盛やまもりにすこしこゝろ浮島うきしまがはら。やまもりに大根だいこんおろし。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彌次郎やじらう時代じだいにはゆめにも室氣枕くうきまくらことなどはおもふまい、と其處等そこいらみまはすと、また一人々々ひとり/\が、風船ふうせんあたまくゝつて、ふはり/\といてかたちもある。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をんな彌次郎やじらうとこうへにあがり、よこになつて、此處こゝいと、手招てまねぎをして彌次郎やじらうをひやかす、彌次郎やじらうひとり
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なまじ所帶持しよたいもちだなぞとおもふからよくます。かの彌次郎やじらうめる……いかい——めしもまだはず、ぬまずを打過うちすぎてひもじきはら宿しゆくにつきけりと、もう——つつけ沼津ぬまづだ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)