はっ)” の例文
此方こっち只管ひたすら頼むと小さくなってけを云えば、船頭は何でも聞かぬと剛情をはって段々声が大きくなる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わたくしは年をりましても、酒や博奕ばくちが好きでございまして、身代を遂に痛め、此者これの母も苦労して亡りました、斯うやって表をはっては居りますが、実は苦しい身代でございます
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うズッと以前だが博賭徒ばくちうちを探偵する事が有て己が自分で博賭徒ばくちうちに見せ掛け二月ふたつきほど築地の博徒宿に入込んだ事が有る其頃丁度築地カイワイに支那人のはって居る宿が二ヶ所あった
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
この人は長崎に開業して居て立派な門戸をはって居る大家たいかであるから、中々入門することは出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
是から千代紙ではって有る可笑おかしな箱の蓋を取って、中から手拭を出そうとする時
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なおその足をはって抵抗の状をなすの常なるに、二百七十年の大政府が二、三強藩の兵力に対してごう敵対てきたいの意なく、ただ一向いっこうこうあいうてまずとは、古今世界中に未だその例を見ずとて
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
破るからアトをはって置きなさいと云うようにして、寸毫すんごうさない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)