張飛ちょうひ)” の例文
関羽かんう張飛ちょうひの二人も、心のうちで喜ばないふうが、顔にも見えていたし、或る時は、玄徳へ向って、無遠慮にその不平を鳴らしたこともある。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ故に画帖を見てもお姫様一人画きたるよりは椿つばき一輪画きたるかた興深く、張飛ちょうひの蛇矛をたずさへたらんよりは柳にうぐいすのとまりたらんかた快く感ぜらる。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
韓信かんしん市井しせいあいだまたをくぐったことは、非凡の人でなければ、張飛ちょうひ長板橋ちょうばんきょう上に一人で百万の敵を退けたに比し、その勇気あるを喜ぶものはなかろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
言うことがしゃくに障った上に、酔って懐の玉を探ろうとしたので、癇癪かんしゃくを起してその横顔よこッつらを平手でなぐると、虎髯とらひげさかさにして張飛ちょうひのように腹を立て、ひいひい泣入る横腹をつけたばかりでは合点せず
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
冒頭に置いての責道具ハテわけもない濡衣ぬれぎぬ椀の白魚しらおもむしって食うそれがしかれいたりとも骨湯こつゆは頂かぬと往時権現様得意の逃支度冗談ではござりませぬとその夜冬吉が金輪奈落こんりんならくの底尽きぬ腹立ちただいまと小露が座敷戻りの挨拶あいさつ長坂橋ちょうはんきょう張飛ちょうひ睨んだばかりの勢いに小露は顫え上りそれから明けても三国割拠お互いに気まずく笑い声は
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
関羽かんうは西門を守れ、張飛ちょうひは東門に備えろ、孫乾そんけんは北門へ。また、南門の防ぎには、この玄徳が当る」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「憎いくされ儒者ではある」と、直ちに、張飛ちょうひ孫乾そんけんにいいつけ、耒陽県を巡視して、もし官の不法、怠慢たいまんのかどなど発見したら、きびしく実状をただして来いといった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その覆面の強盗どもは、実は、小沛の劉玄徳の義弟、張飛ちょうひという者と、その部下たちでありました
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして劉玄徳りゅうげんとくとか、曹操そうそうとか関羽かんう張飛ちょうひそのほか、主要人物などには、自分の解釈や創意をも加えて書いた。随所、原本にない辞句、会話なども、わたくしの点描てんびょうである。
三国志:01 序 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げきによって劉玄徳は、関羽かんう張飛ちょうひなどの精猛をひきつれて、予州の境で待ちあわせていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此方は県城の南門衛少督なんもんえいしょうとくを勤めていた鴻家の武士で名は張飛ちょうひあざな翼徳よくとくと申すものだが無念や此方が他県へ公用で留守の間に、黄巾賊のやからのために、県城は焼かれ、主君は殺され、領民は苦しめられ
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「待てっ、呂布。燕人えんじん張飛ちょうひここにあり。その首から先に貰った」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ。近頃、卒の中に入った下ッ端の張飛ちょうひだ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西南ひつじさるには張飛ちょうひ
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬超ばちょう張飛ちょうひ
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)