てい)” の例文
〔評〕南洲壯時さうじ角觝かくていを好み、つねに壯士と角す。人之をくるしむ。其守庭吏しゆていりと爲るや、てい中に土豚どとんまうけて、掃除さうぢよこととせず。
枝折戸しをりどぢて、えんきよほどに、十時も過ぎて、往来わうらいまつたく絶へ、月は頭上にきたりぬ。一てい月影つきかげゆめよりもなり。
良夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
桂川かつらがわ加茂川かもがわ、二水の景を一ていにとり入れて、鳥の音もかすかに、千種ちぐさの姿もつつましく、あるがままな自然を楽しむのみならば、四季、いつということもない。
まもなく問題の大閼たいえん氏が病死し、単于ぜんうていに呼戻されたとき、李陵りりょうは人間が変わったように見えた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さっそく北海ほっかいの上に使いが飛び、蘇武は単于のていにつれ出された。李陵りりょうの心はさすがに動揺した。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)