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幻滅
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げんめつ
ふりがな文庫
“
幻滅
(
げんめつ
)” の例文
彼はその料理屋へ尋ねて行き、
未
(
いま
)
だに
白粉
(
おしろい
)
の厚い彼女と一時間ばかり話をした。が、彼女の
空々
(
そら/″\
)
しいお世辞に
幻滅
(
げんめつ
)
を感ぜずにはゐられなかつた。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幻滅
(
げんめつ
)
の悲哀を抱いて、火に追われた二人の悪玉は、足に力もなく走りだした。大樹があるので焼け止まった
堤
(
どて
)
がある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青年との散歩が、悲しい
幻滅
(
げんめつ
)
に終ってから、避暑地生活は、
美奈子
(
みなこ
)
に取って、喰わねばならぬ苦い苦い
韮
(
にら
)
になった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
しかし
彼女
(
かのじょ
)
はそれまで私が心の中で育てていたツルとはたいそうちがっていて、
普通
(
ふつう
)
のおろかな
虚栄心
(
きょえいしん
)
の強い女であることがわかり、ひどい
幻滅
(
げんめつ
)
を味わったのは
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
いかに貞淑に
良人
(
おっと
)
に仕え、いかによく彼を愛し理解していたかということは、後年彼が多少日本に
幻滅
(
げんめつ
)
して、在外の友人に日本の悪評を書いた時さえ、日本の女性に対してだけは
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
美
(
うる
)
わしい天上の夢から、汚ないどぶの中へ叩き落されたような
幻滅
(
げんめつ
)
である。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
彼の熱情を失ったのは全然三重子の責任である。少くとも
幻滅
(
げんめつ
)
の結果である。決して
倦怠
(
けんたい
)
の結果などではない。……
早春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お前が夫人の言葉を信ずれば、信ずるほど、夫人のお前に与うるものは、
幻滅
(
げんめつ
)
と侮辱との外には、何もないのだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
つぎの朝いってさがしあててみると、花は土のしめりですこしもしおれずしかし明るい朝の光の中ではやや色あせてみえ私はそれと知らず
幻滅
(
げんめつ
)
を覚えたのであった。
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
燕作
(
えんさく
)
でなくても、ひとたびここに立って、一
朝
(
ちょう
)
の
幻滅
(
げんめつ
)
をはかなみ、
本能寺変
(
ほんのうじへん
)
いらいの、天下の狂乱をながめる者は、だれか、
惟任日向守
(
これとうひゅうがのかみ
)
の
大逆
(
たいぎゃく
)
をにくまずにいられようか。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爾来
(
じらい
)
「夏の女の姿」は不幸にも僕には
惨憺
(
さんたん
)
たる
幻滅
(
げんめつ
)
の象徴になつてゐる。日盛りの銀座の美人などは
如何
(
いか
)
に
嬋娟窈窕
(
せんけんえうてう
)
としてゐても、うつかり敬意を表するものではない。
鷺と鴛鴦
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幻滅
(
げんめつ
)
の悲しみをいだいて、ぼうぜんと気ぬけのした
伊那丸
(
いなまる
)
は、ややあってわれにかえった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それは誰でも外国人はいつか一度は
幻滅
(
げんめつ
)
するね。ヘルンでも晩年はそうだったんだろう。」
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
悪貨の
濫発
(
らんぱつ
)
や、官閥の腐敗や、物価高の生活苦や、宗教への
幻滅
(
げんめつ
)
や、男女間の
無軌道
(
むきどう
)
や、芸術文化などの自殺的服毒や、等々々の、あらゆる構成悪を、
選
(
よ
)
りわけてみても、その原因は
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
城太郎が今
舐
(
な
)
めたような苦い
幻滅
(
げんめつ
)
は、毎日経験することであって、ふと
摺
(
す
)
れちがう
袂
(
たもと
)
にも、もしや? と思い、後ろ姿が似ていると見ては前へ駈け抜けて振返り、町の二階家にチラと見た人影にも
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊那丸よ——おまえのいま
望
(
のぞ
)
んでいることは
無益
(
むえき
)
であるぞ、
徒労
(
とろう
)
であるぞ、
幻滅
(
げんめつ
)
をもとめているにすぎないぞよ、そして、そんなことをしているまに、
留守
(
るす
)
の
小太郎山
(
こたろうざん
)
の
砦
(
とりで
)
は、
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
におそわれて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“幻滅”の意味
《名詞》
幻想の世界から覚めて現実の世界に戻ること。
理想と現実との格差を悟り落胆すること。
(出典:Wiktionary)
幻
常用漢字
中学
部首:⼳
4画
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“幻滅”で始まる語句
幻滅感