差許さしゆる)” の例文
(中略)清麻呂らと事を謀っている同類の存在も分っているが、天皇のマツリゴトはいつくしみをもって行うべきものだから、あわれみを加えて差許さしゆるしてやる
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
分與わけあたへし所數月すげつ無實むじつの罪にて入らう致し居し段不便ふびん思召おぼしめされ且つ至孝の者に付苗字めうじ帶刀たいたう差許さしゆるす樣領主へ仰付らる之によつて村役の儀は前々之通り心得べし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
都鳥もし蘇生よみがえらず、白妙なきものと成らば、大島守を其のまゝに差置さしおかぬぞ、としかと申せ。いや/\待て、必ず誓つて人にはもらすな。——拙道の手に働かせたれば、最早もはそち差許さしゆるす。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
相守り悴道之助養育やういくに及びまかり在候段神妙しんめうの至りに候之に依て夫道十郎儀罪科ざいくわ悉皆こと/″\差許さしゆるされ候追善つゐぜん供養くやう勝手かつて次第爲可なるべく且又御褒美はうびとして銀二枚取せ遣はす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あざむ賣代うりしろ成せし處しかと身元請人等相調べずかゝへ置候段行屆かざるに付過料くわれう三貫文申付る尤も小夜衣事はすぐに證文差許さしゆるし岩井村百姓十兵衞身寄みより太郎作へ引渡しつかはすべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)