やもめ)” の例文
かくやもめとなりしを便たよりよしとや、ことばたくみていざなへども、一〇四玉とくだけてもかはらまたきにはならはじものをと、幾たびか辛苦からきめを忍びぬる。
そのわけというのは、彼女はまだ若いのですが、てまえの兄にあたる良人に死別わかれ、やもめとなってから三年になります。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天はそのちひさき焔をよろこぶに似たりき、あゝやもめとなれる北の地よ、汝かれらを見るをえざれば 二五—二七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さて当日新婚しんこんありつる家に、神使じんしたるべき人は百姓の内旧家きうか門地のともがら神使をつとむべき家定めあり、その中にて服忌ぶくきはさら也、やもめなるもの、家内に病人あるもの、縁類えんるゐ不祥ふしやうありしもの
「そんな尼のような御顔をなすっていらっしゃるからやもめにおなりになるのでしょう」
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
わが子のかうべぬきんでられて、やもめとなれる冠を戴き、かの受膏じゅかうやから彼よりいでたり 五八—六〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)