寐台ねだい)” の例文
旧字:寐臺
たちまち、なにおそろしいことでもきゅうおもしたかのように、かれかしらかかえるなり、院長いんちょうほうへくるりとけて、寐台ねだいうえよこになった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それは昼間であったか夜であったか忘れたが多分夜であったのであろう。一等客は漱石氏と私との二人きりであった。漱石氏は棚になっている上の寐台ねだいね、私は下の方の寐台にた。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
かれくるしさにむねあたりむしり、病院服びょういんふくも、シャツも、ぴりぴりと引裂ひきさくのであったが、やがてそのまま気絶きぜつして寐台ねだいうえたおれてしまった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
はすでにぼっした。イワン、デミトリチはかおまくらうずめて寐台ねだいうえよこになっている。中風患者ちゅうぶかんじゃなにかなしそうにしずかきながら、くちびるうごかしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)