奇景きけい)” の例文
これ余寒よかんの暁に雨のみじかくやみたる気運きうん機工からくりてかゝる奇景きけいを見たるなりとて、めづらしがりてかたられしが、暖地だんちにてはめづらしくもあるべけれど
べつ貴重きちやうの金石を発見はつけんせず、唯黄鉄鉱の厚層こうさうひろ連亘れんたんせし所あり、岩石は花崗岩みかげいし尤も多く輝石安山岩之にげり、共に水蝕のいちじるしき岩石なるを以て、いたる処に奇景きけいを現出せり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
琵琶湖びわこのなかにひとつの島がある。本朝ほんちょう奇景きけいのうちに数えられている竹生島ちくぶしま
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見れば見るほど、天下の奇景きけいであった。岩山がうまくより集って、偉大なる巣窟そうくつをつくっている。日は明るくさしこみ、そして洞窟の中をひたしている海水は、外洋そとうみに通じているようであった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
此石の落たるを此田代村たしろむらものさま/″\の物に用ふ、片石へんせきにても他所に用ふればたゝりありし事度々なりとぞ。文政三年辰七月二日此七ツ釜の奇景きけいたづね目撃もくげきしたるを記す。
此石の落たるを此田代村たしろむらものさま/″\の物に用ふ、片石へんせきにても他所に用ふればたゝりありし事度々なりとぞ。文政三年辰七月二日此七ツ釜の奇景きけいたづね目撃もくげきしたるを記す。
さてまたその滝にもしたゝる水氷柱つらゝとなり、玉簾ぎよくれんの内に滝をおとすありさま四辺あたり乱瓊らんけい細玉さいぎよくの雪中也、かの玉を出といふ崑山こんざんもかくやとおもはる。かゝる奇景きけい猟師れふし樵夫せうふのほか見る人まれ也。