トップ
>
太秦
>
うずまさ
ふりがな文庫
“
太秦
(
うずまさ
)” の例文
鶴見は、そこに、はからずも、
畏
(
か
)
しこげな
御影
(
ぎょえい
)
を仰ぎ見たのである。
太秦
(
うずまさ
)
広隆寺の
桂宮院
(
けいきゅういん
)
に納めてある太子の御尊像そっくりであった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「暮れて帰れば春の月」と
蕪村
(
ぶそん
)
の時代は
詩趣満々
(
ししゅまんまん
)
であった
太秦
(
うずまさ
)
を通って帰る車の上に、余は
満腔
(
まんこう
)
の不平を
吐
(
は
)
く所なきに
悶々
(
もんもん
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
公卿たちの宿泊所も急のこととてないので、八幡、賀茂、
嵯峨
(
さが
)
、
太秦
(
うずまさ
)
、西山、東山などにゆき、御堂の廻廊や神社の拝殿などに泊っていた。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
また
太秦
(
うずまさ
)
広隆寺の同じ形式の像も、寺の旧記には弥勒菩薩とあるそうで、中宮寺のこの本尊もしたがって同じ名で呼ばれはじめているようだ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
昭和十四年六月、今は故人になった曲芸師の助次郎君と二人、京都
太秦
(
うずまさ
)
撮影所の成瀬己喜男監督の『風流浮世床』という映画の出演を頼まれた。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
▼ もっと見る
ここは京都の郊外の、
上嵯峨
(
かみさが
)
へ通う野路である。
御室
(
おむろ
)
の
仁和寺
(
にんなじ
)
は北に見え、
妙心寺
(
みょうしんじ
)
は東に見えている。野路を西へ辿ったならば、
太秦
(
うずまさ
)
の村へ行けるであろう。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
なお深草の長者
太秦
(
うずまさ
)
王の次女の
朝霞子
(
あかこ
)
を豊饒な山城十二ヶ所の持参金つきで内室に入れるなど、ようやく三十になったばかりで、藤原一門でも指折りの物持になり
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
晩秋の一日、女は珍らしく思い立って、
太秦
(
うずまさ
)
へ父の無事を祈りに、ひとりで女車に乗って出掛けた。
姨捨
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一つは京都
太秦
(
うずまさ
)
の広隆寺の、胴体の細い弥勒像に似たものであり、もう一つはこの
如意輪観音
(
にょいりんかんのん
)
に似たものである。いずれも朝鮮現存の遺品のうちの最も優れたものである。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それには嵐山を望む
大堰川
(
おおいがわ
)
から
太秦
(
うずまさ
)
のあたりまでをふくむ亀山上皇の離宮のあとがある。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その頃の京都の西の郊外は東の方よりも一層人家が
疎
(
まば
)
らであつて、千本通りも四条辺から南は全く片側町であり、西はげんげと菜の花の咲き乱れた野がずつと
太秦
(
うずまさ
)
から嵯峨の方までつゞいてゐた。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
当時を回想する余の眼の前にはたちまち
太秦
(
うずまさ
)
あたりの光景が画の如くに浮ぶ。何でも二人は京都の市街を歩いている時分からこの辺に来るまで殆ど何物も目に入らぬようにただ熱心に語り続けていた。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
女院や宮々も
八幡
(
やわた
)
、賀茂、
嵯峨
(
さが
)
、
太秦
(
うずまさ
)
、
西山
(
にしやま
)
、東山などの片田舎に難を逃れている。平家一門は都より落ちたが、源氏はまだ京に入っていない。京は主のない都となった。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
深草の長者
太秦
(
うずまさ
)
王の次女の
朝霞子
(
あかこ
)
を豊饒な山城十二ヵ荘の持参金つきで内室に入れるなど、三十になったばかりで藤原一門でも指折りの物持になり、白川のほとりなる方一町の地幅に
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
(ありゃア松浦
勘解由
(
かげゆ
)
の
忰
(
せがれ
)
だ。わずかの意趣から
太秦
(
うずまさ
)
の野道で、その勘解由を討って取り、爾来自分でも世を狭めていたが、こんな江戸の地でその勘解由の忰の、民弥に逢おうとは思わなかった)
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは
高麗
(
こま
)
の帰化人であるところの、
背奈氏
(
せなし
)
と合してその土地に住み、他の一派は京都洛外の、
太秦
(
うずまさ
)
辺に住居して
秦氏
(
はたし
)
の一族と合体したりしたが、宗家は代々
摂津
(
せっつ
)
、
和泉
(
いずみ
)
、
河内
(
かわち
)
、この三国に潜在して
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と一日一僕を従え、勘解由は
太秦
(
うずまさ
)
へ秋景色を見に出た。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“太秦”の解説
大秦
太秦(うずまさ)は、京都市右京区の地名。
(出典:Wikipedia)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
秦
漢検準1級
部首:⽲
10画
“太秦”で始まる語句
太秦寺
太秦形