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太甚
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はなはだ
ふりがな文庫
“
太甚
(
はなはだ
)” の例文
長崎は淫風の極めて
太甚
(
はなはだ
)
しき地なり。襄の彼地に在るや
屡々
(
しば/\
)
遊里に誘はれたりき。今日と雖も娼閣の壁上往々其旧題を見るといへり。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
しかも其の
因縁
(
いんえん
)
の
糾纏錯雑
(
きゅうてんさくざつ
)
して、果報の惨苦悲酸なる、而して其の影響の、
或
(
あるい
)
は
刻毒
(
こくどく
)
なる、或は
杳渺
(
ようびょう
)
たる、奇も
亦
(
また
)
太甚
(
はなはだ
)
しというべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
何とも
了解
(
わか
)
らぬやうな
太甚
(
はなはだ
)
しい
田舎訛
(
ゐなかなまり
)
で、互に何事をか声高く語り合ふので、他の学生等はいづれも腹を抱へて笑はぬものは無い。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼は
一昨年
(
をととし
)
の冬
英吉利
(
イギリス
)
より帰朝するや否や、八方に
手分
(
てわけ
)
して嫁を求めけれども、器量
望
(
のぞみ
)
の
太甚
(
はなはだ
)
しければ、二十余件の縁談皆意に
称
(
かな
)
はで、今日が日までもなほその事に
齷齪
(
あくさく
)
して
已
(
や
)
まざるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それを突然に、郎等だにあらば打殺してましものをと言ふのは、余りに従兄弟同士として貴人の前に口外するには
太甚
(
はなはだ
)
しいことである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
然りと雖も彼が酒を嗜む
太甚
(
はなはだ
)
しきに至りし所以のもの実に其父を喪ひたる無限の憂愁を散ぜんとするに由る。果して然らば彼の志亦
憫
(
あはれ
)
むべき也。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
「殊に、かれは自然の発展の最も多かるべき
筈
(
はず
)
にして、しかも歴史習慣を
太甚
(
はなはだ
)
しく重んずる山中の村——この故郷を離るゝ事が出来ぬ運命を有して居た」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
新信条を以て旧信条に
代
(
か
)
ふべしと
曰
(
い
)
ふは可なり。之を増減
刪加
(
さんか
)
すべしと曰ふは可なり。之を置くの可否を論ずるに至りては事理を解せざるの
太甚
(
はなはだ
)
しき者也。
信仰個条なかるべからず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
八箇国を一月ばかりに切従へられて、七
斛
(
こく
)
の芥子を一七日に焚いたなぞは、帯紐の
緩
(
ゆる
)
み加減も随分
太甚
(
はなはだ
)
しい。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
これが又一層
不便
(
ふびん
)
を増すの料となつて、孫や孫やと、その祖父祖母の寵愛は
益
(
ます/\
)
太甚
(
はなはだ
)
しく、
四歳
(
よつ
)
五歳
(
いつゝ
)
、
六歳
(
むつ
)
は、夢のやうに
掌
(
たなごころ
)
の中に過ぎて、段々その性質があらはれて来た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
信
愈々
(
いよいよ
)
惑
(
まど
)
いて決せざりしに、勅使信を促すこと急なりければ、信
遂
(
つい
)
に怒って曰く、何ぞ
太甚
(
はなはだ
)
しきやと。
乃
(
すなわ
)
ち意を決して燕邸に
造
(
いた
)
る。造ること三たびすれども、燕王疑いて而して辞し、入ることを得ず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
甚
常用漢字
中学
部首:⽢
9画
“太”で始まる語句
太
太陽
太刀
太鼓
太息
太夫
太郎
太々
太腿
太閤