トップ
>
大身
>
おおみ
ふりがな文庫
“
大身
(
おおみ
)” の例文
蕪村が照射と射干との区別を知らざるはずはなけれど、かかる事に無頓著の
性
(
さが
)
とて気のつかざりしものならん。近江も
大身
(
おおみ
)
と書くべきにや。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
手に
一条
(
ひとすじ
)
大身
(
おおみ
)
の
槍
(
やり
)
を
提
(
ひっさ
)
げて、
背負
(
しょ
)
った女房が死骸でなくば、死人の山を
築
(
きず
)
くはず、無理に
手活
(
ていけ
)
の花にした、
申訳
(
もうしわけ
)
の
葬
(
とむらい
)
に、医王山の美女ヶ原、花の中に
埋
(
うず
)
めて帰る。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とすっと立ち上って、欄間に掛けて有りました九尺
柄
(
え
)
の
大身
(
おおみ
)
の槍を取って、スッ/\と二三度しごいて
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今にも
籠手
(
こて
)
、
脛当
(
すねあて
)
が動き出して、丁度頭の上に懸けてある、
大身
(
おおみ
)
の
槍
(
やり
)
を取るかとも思われ、いきなりキャッと叫んで、逃げ出したい気持さえいたすのでございます。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「主人の元が元ですから槍は二本ございます、六尺の
手槍
(
てやり
)
と、二間半の
大身
(
おおみ
)
の槍と」
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
大身
(
おおみ
)
の
槍
(
やり
)
に行き足つけて、
伊那丸
(
いなまる
)
の真正面へ、タタタタタッ、とばかりくりだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
多勢に無勢で、とんび凧は、一時、形勢が悪くなったように見えたが、凧の
大身
(
おおみ
)
を利用して強引にのしかかり、ひとつずつ烏を雁木にひっかけて小田原町のほうへ逃げのびてしまった。
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
謹厳方直容易に笑顔を見せた事がないという含雪将軍が
緋縅
(
ひおどし
)
の鎧に
大身
(
おおみ
)
の槍を横たえて
天晴
(
あっぱれ
)
な武者ぶりを示せば、重厚沈毅な大山将軍ですらが
丁髷
(
ちょんまげ
)
の鬘に
裃
(
かみしも
)
を着けて踊り出すという騒ぎだ。
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
恐らく
大身
(
おおみ
)
の槍をプスリ通されたとて、なんの痛みももうあるまい。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
寄せ手の軍勢は
固唾
(
かたず
)
を呑み、憐れ憐れと見ている時、城の大手の門を開けて駈け出したる武者一騎、
鍬形
(
くわがた
)
打った
冑
(
かぶと
)
をつけ、
紫裾濃
(
むらさきすそご
)
の
鎧
(
よろい
)
を着て、
大身
(
おおみ
)
の槍を打ち振り打ち振り、大軍の中に駈け入ったが
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「うおーッ、
大身
(
おおみ
)
の
槍
(
やり
)
だぞォ……」
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大吉の
突
(
つ
)
きだした
大身
(
おおみ
)
の槍は、かわす
間
(
ま
)
もなく、咲耶子の
胸
(
むね
)
から白い
顎
(
あご
)
へと!
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“大身”で始まる語句
大身代
大身上
大身槍
大身鎗