大江たいこう)” の例文
ふと見ると、大江たいこうの岸にはおよそ四、五百艘の軍船が並んでおびただしい食糧や武器や馬匹などをつみこんでいるのでびっくりした。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひょっとするとこの洲は大江たいこうの中に孤立している島ではなくてここで桂川かつらがわが淀の本流に合している剣先なのではないか。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
船はまた大江たいこう河心かしんに出る。石船の帆が白く、時に薄い、紫の影の層をはらんで、光りつつ輝きつつ下をまた真近を、群れつつ、離れつつ去来する。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
画はうるわしい大江たいこうに臨んだ富麗ふれいの都の一部を描いたものであった。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
沼ありて大江たいこう近き夏野かな
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
揚子江ようすこうの水でをつかい、大江たいこう河童かっぱといわれたくらいな者で、水の中につかったままでも二タ晩や三晩は平気な男なのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私たちの舟はまたの音もゆるく緩く波上に遊んでゆく、流れはもはや急ではない、大江たいこう浩蕩こうとうとしたさざなみである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
櫓幅ろはばいっぱい、舟は水を切って行く。みるまに葦間あしまの火光もわめきも遠くにおいて、辺りは大江たいこうの水満々とあるばかりだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はまたこの晴れた日の大江たいこうしものあなたを展望した。長堤は走り、両岸の模糊もこたる彎曲線のすえは空よりやや濃くくろんで、さて、花は盛りのべにと白とのこの庭の百日紅さるすべりの近景である。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
ふなべりに並んだ呉の兵は、弓を引きしぼり、ほこを伸ばして、小舟を寄せつけまいと防ぎながら、その船脚はなお颯々と大江たいこうの水を切って走ってゆく。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いっそ大江たいこうを漕ぎ廻し、闇屋の塩舟でも襲ッて飲みしろかせぎでもするかと、ほかの兄弟分ふたりを誘いあわせての帰り途。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
将門は、芦間あしまの岩に腰を下ろした。さすがに、豊田のたちから、馳せ通し、また、歩きとおしたので、少し疲れたものとみえる。渺茫びょうぼうたる大江たいこうの水を前に、しばし、行々子よしきりの啼く音につつまれていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
洲股すのまた川の大江たいこうを渡って、信長の召状は、藤吉郎の城門へ届けられた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
は、大江たいこうの流れに沿うて、「江東の地」とうたわれている。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君、大江たいこうを渡るなれば」と、孫策を見つめた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大江たいこううお
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)