“土管（どかん）” の例文
井戸新（いどしん）さんは、人足（にんそく）がいくらいくら、井戸囲（いどがこ）いの土管（どかん）がいくらいくら、土管（どかん）のつぎめを埋（う）めるセメントがいくらと、こまかく説明（せつめい）して
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) ／ 新美南吉(著)
トロッコが、ほそいレールの上（うえ）を走（はし）りました。道（みち）ばたには、大（おお）きな土管（どかん）がころがり、くだいた石（いし）や、小（こ）じゃりなどが、うずたかくつまれていました。
はたらく二少年 (新字新仮名) ／ 小川未明(著)
ところが、それとはまったく手ざわりの違った、ぬれ土管（どかん）の怪物だったのである。でも後から考えると、彼はよくまあ勇敢に、組附いたりしたものだと感心する。
火星兵団 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
急須（きゅうす）だとか皿や鉢など小ものも焼きますが、近頃は土管（どかん）の仕事が専らで、見るべき品が少くなりました。
手仕事の日本 (新字新仮名) ／ 柳宗悦(著)
その穴のおくへ手をいれて、さぐって見ますと、地面の下のほうに、いまは使われなくなっている下水の土管（どかん）がのこっていて、そのわれめから、ネズミが出てくることがわかりました。
探偵少年 (新字新仮名) ／ 江戸川乱歩(著)
こちらには、土管（どかん）や、人造石（じんぞうせき）が積（つ）まれているし、またあちらには、起重機（きじゅうき）が置（お）いてありました。ところどころ木立（こだち）があって、頭（あたま）の上（うえ）を青（あお）い空（そら）が拡（ひろ）がっていました。
とびよ鳴け (新字新仮名) ／ 小川未明(著)
広（ひろ）い道路（どうろ）のあちらは、すぐ町（まち）になっています。そして、いちばん近（ちか）いところに、善吉（ぜんきち）の家（いえ）がありました。土管（どかん）や、じゃりや、セメントなどを、あきなっていました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) ／ 小川未明(著)
「土管（どかん）の置（お）いてある、原（はら）っぱに。」
芽は伸びる (新字新仮名) ／ 小川未明(著)