せきばらい)” の例文
スポンと栓を抜く、くだんせきばらいを一つすると、これと同時に、鼻がとがり、眉が引釣ひッつり、額のしわくびれるかとへこむや、まなこが光る。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
直ぐにきましたから、しきり前刻さっきの、あの、えへん!えへん!せきばらいをしながら——ひどくなっておりますな——芝生を伝わって、おびただしい白粉おしろいの花の中を、これへ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もうそのせきばらいで、小父さんのお医師いしゃさんの、膚触はだざわりの柔かい、ひやりとした手で、脈所をぎゅうと握られたほど、悚然ぞっとするのに、たちまち鼻がとがり、眉が逆立ち、額のしわ
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(えへん)とせきばらいを太くして、おおきな手で、灰吹を持上げたのが見えて、離れて煙管きせるが映る。——もう一倍、その時図体が拡がったのは、袖を開いたらしい。此奴こいつ寝子ねこ広袖どてらを着ている。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云うせきばらい
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)