)” の例文
みだれきのなの花に、からだがさわると、ヒラヒラと花びらのちるように、あちこちからチョウチョウがとびだしました。
月夜のかくれんぼ (新字新仮名) / 槙本楠郎(著)
まだ、おそきのさくらのはなが、こんもりと、くろずんだもりあいだからえるのも、いずれも、なつかしいやるせないような気持きもちがしたのであります。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うすい絹のおもてにうつる青い蝶蝶の群れ
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
云へ御殿場迄ごてんばまで旦那殿だんなどの讓合ゆづりあう中何時か我家のおもてへ來りしが日は西山へ入て薄暗うすくらければ外より是お里遠州ゑんしうの兄が來たと云にお里はあいと云出る此家のかまへ昔は然るべき百姓とも云るれど今はかべおちほねあらはかや軒端のきばかたむきてはしらから蔦葛つたかづら糸瓜へちまの花のみだ住荒すみあらしたるしづが家に娘のお里は十七歳縹致きりやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)