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呼子
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よびこ
ふりがな文庫
“
呼子
(
よびこ
)” の例文
と——不意に静かに、夕風をうごかして、
笹鳴
(
ささな
)
りの音か、水の響きかとばかり、あたりへ鳴ってひろがったのは
呼子
(
よびこ
)
の笛——。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
表をあわただしげに走り去る靴音、誰かを探し求める声、
呼子
(
よびこ
)
の笛、サーベルの音も聞えた。先刻の警官隊かも知れない。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
ビリリリリと
呼子
(
よびこ
)
がなりひびき、大型懐中電灯の光が、いくすじも、煉瓦小屋の中に集中され、いきなりパン、パンとピストルの音がつづきました。
青銅の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そしてなおも私と言い争っていた時に、小さな低い
呼子
(
よびこ
)
の音が丘の大分離れた処で鳴った。二人ともそれを聞けば十分だった。いや、十二分だった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
早く逮捕を依頼しろ。なんだってもう捕えたというのかいヤーロの奴を。それじゃ一同、本庁へ引揚げだ。それ、
呼子
(
よびこ
)
の笛を吹くんだ、呼子の笛を……
一九五〇年の殺人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
その瞬間、俊夫君は
呼子
(
よびこ
)
笛を取りだして「ピー」と一声鳴らしました。すると実験室の電灯がさっと消えて家の外も中も、真っ暗闇に包まれてしまいました。
暗夜の格闘
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
けれどもそのときはもう
硝子
(
ガラス
)
の
呼子
(
よびこ
)
は鳴らされ汽車はうごき出しと思ううちに銀いろの
霧
(
きり
)
が川下の方からすうっと流れて来てもうそっちは何も見えなくなりました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一人では万一賊の方が
多勢
(
おおぜい
)
ではいけませんから派出所へ立帰り、
呼子
(
よびこ
)
にて同僚を集め、四人ばかりにて其の場へ駈附け、裏口台所口桟橋の出口へ
一人
(
いちにん
)
ずつ立番をして居り
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「家から誰も出すな。持場持場を固めて、手に余る奴が飛出したら
呼子
(
よびこ
)
を吹けッ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、どうでしょう手近のところから、
呼子
(
よびこ
)
の音が聞こえて来たではありませんか。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ピピピピと奥の方で断続する釘勘の
呼子
(
よびこ
)
を聞いてまたゾッと身をすくませると、怒り立った一方の
罵
(
ののし
)
りが
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またある時は二つの船は互いに遠く乗り放し矢合わせをして戦った。闇の夜には
篝
(
かがり
)
を
焼
(
た
)
き、星明りには
呼子
(
よびこ
)
を吹き、月の晩には
白浪
(
しらなみ
)
を揚げ、天竜の流れ
遠州
(
えんしゅう
)
の
灘
(
なだ
)
を血にまみれながら
漂
(
ただよ
)
った。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
燕作は、バッと五、六
間
(
けん
)
ほど、
泳
(
およ
)
ぐようにつんのめっていきながら、ピピピピピ……と
合図
(
あいず
)
の
呼子
(
よびこ
)
をふいて
逃
(
に
)
げた。——と思うと八方から、おどりたった
覆面
(
ふくめん
)
の
浪人
(
ろうにん
)
どもが
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南無三
(
なむさん
)
、
呼子
(
よびこ
)
をふいた部将が
抜刀
(
ばっとう
)
をさげて、あっちこっちの
岩穴
(
いわあな
)
をのぞきまわっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いきなり、耳をつんざく
呼子
(
よびこ
)
の
音
(
ね
)
が、するどく、頭の上で鳴ったと思うと、かなたの岩かげ、こなたの谷間から、
槍
(
やり
)
や
陣刀
(
じんとう
)
をきらめかせて、おどり立ってくる、数十人の
伏勢
(
ふせぜい
)
があった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呼
常用漢字
小6
部首:⼝
8画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“呼子”で始まる語句
呼子笛
呼子鳥