名手めいしゅ)” の例文
それから、この法師ほうしには、「みみなし法一ほういち」というあだ名がつき、びわの名手めいしゅとして、ますます名声めいせいが高くなりました。(昭2・6)
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
都でなら、蝉丸流せみまるりゅう師長流もろながりゅう式部親王家しきぶしんのうけの御流などの流れを伝える家々もありますし、名手めいしゅもたくさんおられますから。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金泥きんでいそらにながしていろどつた眞夏まなつのその壯麗そうれいなる夕照ゆうせふたいしてこころゆくまで、銀鈴ぎんれいこゑりしぼつてうたひつづけた獨唱ソロ名手めいしゅそらとりはねをとどめてそのみゝかたむけた、ああ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
こういう模型もけいものを作る名手めいしゅが三、四人いて、それが他の隊員にも教えながら、毎日ほかの仕事はしないで、南京ねずみの家と車ばかりを、えっさえっさと作っているのだった。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、かなでるひとが、名手めいしゅになればなるほど、えがたいおもいがされるのでした。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんという名手めいしゅでしょう……ひろい国じゅうにも、これにまさるものはありますまい。」
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)