同窓どうそう)” の例文
斯栂の尾の寺に、今は昔先輩の某が避暑ひしょして居たので、余は同窓どうそうの友と二三日泊りがけに遊びに来たものだ。其は余が十二の夏であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これわたし竹馬ちくばとも久我くがぼう石橋いしばしとはおちやみづ師範学校しはんがくかう同窓どうそうであつたためわたし紹介せうかいしたのでしたが、の理由は第一わたしこのみおなじうするし
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それで同窓どうそう中では最年長者——どころではない、五ツも六ツも年上であったのである。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ようく知っておりますわい! お互いに同窓どうそうの友でな、一緒によく垣根へなんぞ這いあがったものじゃて! なんで知らんことがごわしょう! ふるい知合いでがすよ!……じゃあ
わたしは、きぬくちからというものをかんじました。それは、学校がっこうにいる時分じぶん先生せんせいからもいた、健康けんこうで、まじめにはたらくということですが、同窓どうそう小泉こいずみくんについて、最近さいきんわたしむねたれました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
土肥君は余の同郷、小学校の同窓どうそうである。色の浅黒い、あごの四角な、ねずみの様な可愛いゝ黒い眼をした温厚おんこうな子供であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この人は本郷ほんごう春木町はるきちやうて、石橋いしばしとは進文学舎しんぶんがくしや同窓どうそうで、予備門よびもんにも同時どうじに入学したのでありましたが、同好どうこうひとであることは知らなかつたと見えて、これまで勧誘くわんいうもしなかつたのでありました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)