吉日きちにち)” の例文
「……やれ今日は何たる吉日きちにち。ありがたい仰せをうけたまわった。おことばに違いなきことは、御僧のおもてを拝見してもわかりました」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
撰び結納持參なす可き所ろ思ひたつ吉日きちにちと主人も申し候へば差附さしつけがましく候へど今日品々しな/″\持參したれば何卒お受取うけとり下されと水引掛し目録書もくろくがき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「あの男は考えが足らん。然う簡単に運ばれては困る。斯ういうことは、かつぐのではないが、世の中の仕来りを重んじて、黄道吉日きちにちを選ぶものだと教えてやった」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
吉日きちにちをえらむひろめや菊日和きくびより
自選 荷風百句 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
明日は吉日きちにち日も好いで
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かへ其後そのご平右衞門へいゑもん口入くちいれにて相方さうはう相談さうだん調とゝの吉日きちにちえらみて五百りやう持參金ぢさんきんをなし又七を彼の白子屋しろこや聟養子むこやうしとぞなしたりけり此事はもとよりお熊の不承知ふしようちなるを種々いろ/\ときすゝあとかくまづ當分たうぶんその五百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
卯月八日うづきようか吉日きちにち
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以て申上られけるは先達せんだつて大坂表より御屆に相成りし天一坊樣御事今般こんぱん芝八山御旅館へ御到着ごたうちやくに付今日伊豆守御役宅にて諸役人一同恐れながら御身分の御調おんしらべ申上げ御證據の品々拜見仕りしに御血筋に相違御座なくと存じ奉り候今日は御歸館なさせ奉りしがいづれ近日吉日きちにち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)